あの時は貴方を弄んでいたはずが
取り残されたのは私の方で
寒々とした景色が
惨めなキリギリスの孤独を
浮き上がらせている

今は凍えている
夏のまま薄着の心に
容赦ない風が吹きすさぶ

今は凍えていよう
侘しさや骨身を削る痛みが
やがて射す陽光を
より暖かく感じさせてくれるはずだから
たまに君を困らせたくなる
泣かせない程度に

無意味な事をしている自分を
ちょっと嘲りながら
君の表情に感情の機微が顕れるのを
観察をするのだ

慌ただしい時間の中で
贅沢の代わりに
君との繋がりを愉しむ
まともに傷口を見てたら
やりきれないから
今は忘れたフリでやり過ごす

風に吹かれりゃ
ヒリヒリするけど
それでも素知らぬ顔をする
何か良い事ありそうな
代わり映えのせぬ景色も
光を放つような
そんな超プラス思考を持ってみたい

何をやっても上手くいかない泥沼の日々を
頭からクリアして
スッキリした顔で生きていきたい

人生をスイスイ泳げない
そんな愚直な男だって
流れに逆らわず生きようと決めた

だから全てを忘れたフリをして
口笛を吹いて歩こう
傷口に瘡蓋が出来る日まで