
戦(いくさ)には勝ったが、どうにも釈然としない。
理由はいろいろ思いつく。敵部隊の思わぬ頑強な反抗にあい作戦が当初の目論見どおりに運ばなかったこと。一部の部隊が天候悪化で進撃速度が鈍り予定どおり戦力集中が進まなかったこと。
同盟軍のサボタージュともとれる緩慢な動き。
これらはよくあることなので、今更いうまでもない。
自分の中にある「勝利」とは違うのだ。
完璧主義とかそういうことではなく。
恩賞が少ないとかそういうことではなく。
例えることのできない不充足感。
しばらく小官は、敵以外に、この感覚とも
対峙せねばならぬようだ。