同期side




手を離して

私の顔を見て、微笑む彼

彼に掴まれていた
場所が
あったかかった。


ガラガラ 

「空いてる?」

2人と指で合図する彼

「空いてるって」

そう言って、店内へ

カウンター席に座り

「いつもの」

じゃ、わたしも。

よく来るんですか?

「昔ね、最近は、あんまり」

そうなんですね。

ラーメンが到着すると
割り箸を割って渡してくれる

ありがとう

「食おっ」

いただきます

ツルツル

美味しい

「だろっ」

そういって、私の顔を見て得意げな顔をする彼

「たまご食わないの?」

食べるよ、好きだから最後に

ぽチョン

えつ?いいの?たまご

「好きなんだろ」

じゃ、かわりに、チャーシュー

2人で笑った

ご馳走様でした

外に出て歩き出す

あーおなかいっぱい

「うまかった、やっぱここのラーメンうめぇわ」

ねぇ、美容師じゃないでしょ
あなた、何者?

わたしは
ちょっぴり、意地悪に彼に言った。

彼は驚いた顔をしたように見えたけど

「なぁ、また会える?」

えっ、何?
答えになってないけど

「もう会えない?どっち?」

何者かわかんない人と会えないよ

「じゃっ」

そう言って、彼が立ち去ろうとした

わたしは

待って

と、小さな声で言った

1回振り向いたけど、そのまま、また歩き出したから

待って

精一杯の声で叫んだ