今日はあらかじめチケットを手に入れてからのマーラーツィクルス第3回。

今回やや心配だったのは1F席ということとセンター席でないということだったが、
残念ながらその心配は杞憂とはいかなかった。楽器から飛び出す生の音が聞こえるという良さ、
特にソロを聴くのには良い点もあるけれど、全体として言えるのはやはりオーチャードの音響はダメということ。1階前方にいると、音が自分の横をとおらず斜め上に吹き抜けて行くメージ。
打楽器についてはドラム系は音にもなっておらず、非常に残念だった。まあ、あまりにも今更という話ではあるのだけれど、やはり次からはなんとしても2Fか3Fを狙いたいと思う。

一般的には3番の扱いというはどうなのだろう?自分のなかではやはりマーラー交響曲の中では
比較的聴く機会が少ない曲であり、今回は普段と比べると予習を多めにして演奏会に臨んだ。

1楽章のスタートは、なんともそつがないという印象だった。ただ、これは悪い意味ではなく、この楽器、このフレーズをこう聴ければスムーズに曲に入れる・・という部分を押さえていた。オケも最初はぴったりあわせて来ていたし、期待が膨らんだのだが、曲が進みにつれてどうも少し丁寧過ぎるというか、もう少しアグレッシブさが欲しいと感じるようになった。今となって2番が聴けなかったのが悔やまれるのだが、これまで数回聴いた演奏から、おそらくこれが彼の持ち味なのだろう、と思ってはいるのだが、やはりもう少し工夫できるのではないかなと思う部分。

1楽、2楽章はそんな印象のまま終わってしまう。変化がみられたのは3楽章以降少しづつ。テンポが変わる楽章でもあるのでそのせいかもしれないが、少しづつオケのテンションがあがって来ているように感じた。正直にいうと自分が今回面白いと感じたのは3楽章以降で、4楽章からまずアルトとソロバイオリンに惹き込まれ、5楽章の合唱から曲が動き出したと感じた。そして圧巻だった・・本当に今回これを聴くだけでも行く価値があったと思ったのは終楽章。あの静謐な美しさをあおるでもなく、楽器とスコアの純粋な美しさで堪能させてくれる音作りで、かつ全く押し付けがましくない。ああいうフレーズはどの演奏者も聴かせがちになると思うが、それの全く逆を行く新鮮なアプローチで、これは彼の持ち味が大いに発揮されたと思う。こういうのを聴かせられるので、たとえ前半の印象があったとしてもやはり次も聴きに行きたいと思ってしまうのだ。

今回特筆すべきだったは、オッタヴィアーノ氏のバンダ、ポストホルンと山下牧子さんのアルト。日フィルは客演とはいえ本当に良い演奏者を連れてきたなと思う。このところの演奏会で彼のトランペットには毎回感動させられているが、今日のバンダはあまりにも素晴らしかった。音色もその音楽自体も、少なくとも自分にとっては完璧。クラシックのCDには安価なものも多く、実は中に良いものも有る。安く、既知の音を安心して繰り返し聴く事ができるし、それなりに曲の良さもわかるのでCDを聞くのに多くの時間を費やしている。でも、今日、実際にホールであのバンダを聴いてマーラーはあのポストホルンをこう使う事で、あの空間的な広がりを描きたかったんだと言うことを体感して、やはり音、音楽は生で聴かないと本当には理解できないということを改めて実感した。アルトについても同じで、やはり声というのはどの楽器よりも身体に近い分、それが生で存在しているときの存在感がCDとはまるで違う。CDを否定はしないが、やはり生演奏を聴かないといけないと思う。
後、トロンボーンも素晴らしかった。美味しいなあと思いながら聴いていました。

一方、オケについてはやはり今回は少々きつかったか?
考えるまでもなく、1週間間が空かないうちにマーラー2番、3番を演奏するプログラム
というのはいくらプロとはいえ無理があるように思う。楽団員の顔までは覚えていないのだが、実際、それなりにエキストラもいたのではないだろうか。
何となく熱が感じられなかったというのも、そうした事情、プログラム日程というのに原因があるように感じた。弦楽器、管楽器それぞれに詰めの甘さがあったように思う。特に終楽章の金管にははらはらさせられた。最後の締めにはあわせてくるところはプロだと思ったが、次はもう少し堪能させて欲しいと思った。やはり指揮者がどんな指揮をしたところで、オケの演奏自体ができてなければどうにもならない。結局、音を出すのは楽器を演奏するオーケストラであり、それを指揮で誤摩化すことはできない。ただ今回については演奏者の責任というよりは、このプログラム日程を組んだ主催者側にも責任があるように思う。来期は間はきっちり1ヶ月は空くようなので、演奏にも更に期待したいと思う。

マーラーツィクルスを聴いてみて、ツィクルスはとても良いものなのだなと思うようになった。次の演奏を楽しみに待つのはとても嬉しい。ひとつのテーマに沿って演奏される次を待つというのは、定期演奏会とはまた全く違った楽しみなのだということがわかった。今期分は終了してしまい寂しいのだが、これがまた1年後に指揮者、オーケストラともどもどのような進化をして、どういった演奏するようになるのかを待つのも楽しい。来年のツィクルスにもまた是非行きたいと思う。
第1回目は当日ぎりぎりまで迷っていた。今回、2回目は2週間前には行ことを決めていたが、
2F、3Fのチケットを狙ったのが災いし、当日までチケットを手に入れられなかった。
当然、当日券は出るものだろうと思っていたので、昼過ぎにBunkamuraチケットセンターに
問い合わせるとS席+なくなりしだい立ち見席の販売とのこと。

前回のオペレータさんは、残席僅少とまではいわないが、
朝から問い合わせが増えているので早めにお越し下さいというアナウンス付きだったのが、
今回は何もなし。前回のホール2Fの状況をみると当日ならまあ余裕、
最悪立ち見で行けるだろうとたかをくくっていた。

いつもの√で3a出口から出てオーチャードを目指す。少々時間が迫っているが、この道は人が多くて急いで歩けない。
東急百貨店を抜け、3Fへ向かうが例のチケット窓口をみて一瞬目を疑う。


・・・・完売の文字が二つならんでいないか・・?


まさかと思って確認すると立ち見完売。
言いにくそうに言われるものの衝撃でしばらく頭がはたらかない。

たしかにマーラー全曲を3年間かけて、しかも全て武満と組み合わせるという
話題性のある演奏会ではあるけれど、まさかここまでの人気になっているとは
ちょっと想像を超えていた。

後からレビューなどをみると演奏自体もかなり良かったようなので
これから先、手に入れたいチケットは更に入手が難しくなってしまうのかもしれない。

でも演奏を聴けなかったのは悔しいけれど、こんなに喜ばしいことあるかなと思う。
彼指揮の他の演奏会に足を運ぶ人も増えるだろうし、
素晴らしい演奏したオーケストラに興味を持つ人もいるかもしれない。
今回聴いた曲を聞き比べるために、別の指揮者、別のオーケストラの演奏会に行くかもしれない。

そう考えると、今回のマーラーツィクルスの成功(と言って良いと思う)は
単に山田和樹氏と日本フィルだけでなく、日本のクラシック界にとっても
素晴らしい出来事だと思う。

第3回はチケットを確保した。演奏が楽しみだ。
気になる仕事はあったものの、この日はもう行こうと決めていたので、きっぱりと天王洲から六本木一丁目に移動。夕飯を食べて、座席には開演ほぼぎりぎりに到着した。

朝は雪が降り、開演まで雨が降っていたにも関わらず、まずまずの入りの様子。

前プロはグリーグのホルベルク組曲。編成は小さかったけど、個人的にはもうワンサイズ小さく、室内楽くらいのサイズですっきり聴くのが好きかな。大学時代に演奏したのを思い出して懐かしくなった。メロディーは繊細で美しくそのあたりをもっとじっくり聴かせてくれても良かったかなと思う。でも弦楽合奏曲として本当に愛される、疾走感もあり哀切もある名曲だと改めて感じた。

中プロはモーツァルトのオーボエコンチェルト。オーボエ主席奏者がソリストで、自分はこのところ聴きに行く度に良いオーボエだなと思っていたので正直すごく楽しみにしていた。だがしかし、前日全く寝付けなかったのに、日中全く眠くならず嫌な予感がしていたが、ここで来てしまった。1楽章を聴き始め、これからウォームアップしていくかな?と思った記憶はあるものの、気づいたときには拍手喝采のホール・・。睡魔忍び寄り、あっというまに攫われて夢見る間もなく終わってしまった。あの様子からすると、本当に素晴らしい演奏だったのだと思う。決してつまらないから寝た訳ではなく、純粋に生理的な欲求にさからえなかったのだと思う。コンサートに行くときは体調を万全に。また反省する羽目になってしまったが、また忘れないようにしたい。

メインはシベリウスの交響曲2番。モーツァルトで寝てしまったからではないが、文字通り今日のメインはシベリウスということでまず間違いなかったと思う。シベリウスの世界観、ハーモニーも堪能でき、特に弦楽器の高音パートとトランペットが素晴らしかった。きっちりと揃いつつも叙情を感じるバイオリンと柔らかい音色のトランペット。こんなに美しいハーモニーを出せるオケだったんだな、と軽い驚きをおぼえつつ、ラストも期待どおりに盛り上がってフィナーレへ。

寒い日だったけれど、聴きにいった人は満足して帰っただろうなと素直に思う演奏会だった。