*ただいま、おかえり | 青と虹色 ~嵐*大野智さん*天然+大宮~

青と虹色 ~嵐*大野智さん*天然+大宮~

大野智さんfanブログ。 愛されリーダー+仲良し嵐5人が大好きです


※以下妄想ストーリー(完全フィクション)です
実在の人物・団体とは一切関係ありません。


苦手な方は華麗に、スルーでお願いします



_____________________________________




今日で終わりにしようって



心に決めて玄関の重い扉を押し開ければ




春風が肩を掠め

暖かな空気が私のコートを取り去っていく

「昨日まで…あんなに寒かったのに」





もう、春だね



 






穏やかな白い雲と戯れる
綺麗な青い空を見上げたら

涙が込み上げて来そうで…ぐっと



震える唇をキツク結んだ



まだ


これからだもの




全てが終わったら泣けばいい





向かう先は
彼の部屋


沢山の愛と優しさを貰った場所




だけど、いつかは
終わりにしないといけないと思っていた

彼の負担になる事…

ううん、彼は
そんな風には思っていないかもしれないけれど

彼の隣にいられるだけで幸せだった



今日は、仕事でいない事は分かっていたから
自分の少ない荷物を持って出るなんて
簡単だと思っていた



なのに…



彼の部屋の扉を開けた瞬間

香る、彼の香り


蘇る、楽しい思い出


堪えていた涙が
ぽたりぽたり
一粒ずつ、ゆっくりと頬を伝って来る


まだ、終わってない




終わってないよ




だけど
彼の部屋に置いてあるのは男物ばかりで




けれど、良く見れば

お揃いで並んだシンプルなカップも
申し訳程度に置いてあった洋服も
サイズは少し大きいけれど
私だけしか使わない


本当に、普通のカップルの様な
デートも何もなかったけれど


それでも

愛されているって分かったから



「ありがとう。」


一言、紙にしたため
筆を置く


ふう、っと静かに息を吐くと










「何…、してんの?」















声に驚き振り向くと
ほんわり笑う彼が立っていた








「さ、智くん
今日…仕事は?」



「え、なんかさ早く終わったんだよね
ってか、来るなら来るって言えよな


「………ごめん



「いや、別に責めてる訳じゃねえよ

ところで何してたの?



そのまま視線が机の上に移ると
表情が変わるのが分かった




「……なに、これ?」







「………」





「ありがとうって何?



「…だから、あのね…



終わりにしたい…の





「なんで?俺、何かしたか?


「智くんは何もしてない

むしろ、私が…


そう、口にすれば
ぎゅっと強い力で身体が引き寄せられる

春の淡い香りが包んでいく


「勝手に一人で決めんなよ
俺は、お前と終わる事なんて考えてねえよ


「………、ごめん

熱くなる身体から、じわりと伝う涙

止まらない


「ごめんなさい…



「もっと、一人で決める前に俺に話せよ
お前、いつもそうだからさ


「うん…

「もっと、俺を頼って下さい♡」

「ふふふ…、うん

私が笑うのと同時に
ふわっと抱きしめられていた
腕の力が抜けて

再び抱きしめられると
今度はとても優しく包まれていく



「俺が帰ってきたら
お前に迎えて欲しいんだ


そう言うと
柔らかく微笑んだ唇が開く








「ただいま」










「 おかえりなさい    






晴れた空にかかる
窓のカーテンが

穏やかに揺れていた