新緑のころ剣道の稽古中の体育館に入ると活気がみなぎっていた。磨りガラスから差し込む陽射しが眩しく夫は剣道を楽しんでいた。彼は、私の鬱屈した日常とは掛け離れた世界で生きていることを知った。彼の世界は私のそれとは交わることのなく平行に広がっていた。