前回に紹介しました中国産のカンアオイ『花叶花尾細辛』の花ですが、4弁花が咲いていました。



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花の内部を確認します。

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開花して間もない花の内部を良く見てみると、※フタバアオイ節である花叶花尾細辛は、日本のフタバアオイやウスバサイシンのように、花糸(雄蕊)が曲がっていて、最初、葯は花床にはりつくような状態にあり、雄蕊が完熟するにつれて花糸が立ち上がるシステムがあることがわかり、雄蕊がまだ花床にあるもの(未熟な状態で、まだ花粉を出していない)や開口部付近まで立ち上がったものも確認することができ、雌蕊の柱頭に到達する(完熟した状態になる)と葯が裂開し花粉を出し始めました。



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参考として昨年、撮影した花糸(雄蕊)の立ち上がるようす。

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花糸が立ち上がると葯が裂開して、もの凄い数の花粉が出てくる。

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開花から一週間ほどすると全ての花糸(雄蕊)が立ち上がり中央に集まって見えます。

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このように、カンアオイの仲間の中でも、フタバアオイ節の品種(花叶花尾細辛など中国には他にも数種類あります)と、ウスバサイシン節の品種は、いつやって来るのか解らない昆虫や節足動物などを頼らず、花糸(雄蕊)を立ち上げ、完熟した葯を裂開し、花粉を出すというシステムによって、自家受粉をして種子を残すようである。








※同じようなシステムをもつ日本産には、このような品種があります。

フタバアオイ節
オナガサイシン(カツウダケカンアオイ)、フタバアオイ


ウスバサイシン節
イズモサイシン、ウスバサイシン、オクエゾサイシン、クロフネサイシン、ケイリンサイシン(阿蘇サイシン)、トウゴクサイシン、ミクニサイシン