沖縄県石垣島産のカンアオイ『オモロカンアオイ』の花が咲き始めました。昨年よりも少し早い開花となりました。


※学名

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*参考、引用「最新園芸大辞典」第一巻(1982)

学名の『dissitum』→『dissita』ディッシタは隔てのある、という意味。萼筒の形態が他のものから離れているため。

※この種は尖閣諸島に自生するセンカクアオイと近縁であり、萼筒の括れ・開口部のようすなどは良く似ており、大変に興味深いものです。



※和名 : オモロカンアオイ・於茂登寒葵

和名「オモロ」の由来は、古の琉球(沖縄県)に伝わる歌謡「おもろ」から、当て字の「於茂登」は石垣島於茂登岳より


※分布 : 沖縄県石垣島

※開花期 : 1~3月


小脈は没入している。

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萼裂片基部に皺あり、口環ある。

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萼筒は筒状で基部から約2/3のノドの部分で少し括れる。

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萼筒内部のようす

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雌雄蕊柱などのようす

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花柱は3個、離生、直立、先端に小さな突起あり、柱頭は楕円形、ほぼ頂点にある。

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雄蕊は6個

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子房は上位

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萼筒内面の上部の約1/3は縦横の隆起の弱い網目模様あり、下2/3には縦の隔襞

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☆偶々でしょうが、雌雄蕊柱をよく見てみると、柱頭のような気がする物が付いた物体(花糸の延長?)がありました。

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このような物は初めて見ました。

カンアオイの花柱は本来は6個ありますが、この「オモロカンアオイ」は3個という形態に変化をしたもので、この物体は花柱の名残りのように感じました。