おはようございます。

今日も、引き続き犬山市近辺での(仮称)冬咲きヒメカンアオイの散策になります。少し場所を移動して今度は林の中を見て歩きました。

名称を変更しました
☆冬咲きヒメカンアオイとは、聞きなれないと思いますが、敢えて言うならこの名称が、一番適切ではないかと思われます。ヒメカンアオイは秋9月~春5月初旬迄の長い期間にわたって、花は似ていても確かに開花期の違う花が咲きます。ヒメカンアオイの自生地は、北は新潟県・長野県など多雪地帯から、東は千葉県(仮称・チョウシカンアオイ)[ゼニバサイシンとされている]、静岡県~西は広島県・高知県に至る非常に広範囲に及ぶものです。東京都にも自生地があったようですが、はっきりとした地名確認が無いのが残念です。

※ヒメカンアオイの学名

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?ヒメカンアオイの開花期を文献などでは2~3月咲きとしています。
ところが、実際には、秋咲き(9~11月咲き)・冬咲き(12~2月上旬咲き)・春咲き(2月中旬~5月初旬咲き)の3タイプがあります。12~2月上旬に咲くヒメカンアオイを春咲きというのは少し違うように感じるところがあったために、このような違和感をスッキリと区別するためにはどのような名前が一番適切かと考えた結果、このような名称、冬咲きヒメカンアオイとしました。

T.Sugawara氏は2006年講談社版 日本植物誌 Flora of japan Vol.2,(386頁)でヒメカンアオイをミチノクサイシンの変種としました。又、ヒメカンアオイをミヤマアオイの変種ともし、ゼニバサイシンはヒメカンアオイの中に入れました。要するに北から進化し、ミチノクサイシンがミヤマアオイに変化し、更に変化したものがヒメカンアオイ、ゼニバサイシンということになります。確かにこのような考え方もあるでしょうが、少し無理な結びつけではないかと、疑問に思うところです。又、登録文献などでは特に春咲きヒメカンアオイと秋咲きヒメカンアオイ、冬咲きヒメカンアオイを区別はしてはいません。というか、開花期からして秋咲きヒメカンアオイ、冬咲きヒメカンアオイは無視されているような状態にも思われます。どうしてなの? ?です。
これら3タイプのヒメカンアオイは、明らかに開花期、自生地が違うものです。その上、同じ季節に咲くヒメカンアオイにおいても、産地(自生地)の環境(植生、地質、温度、湿度、日照量、標高差、雨量など様々な要因)に左右されて、個体差も様々あり、葉質・葉の大きさ・葉の形・萼片の長さ・萼筒の形・萼筒の大きさ・雌雄蕊柱の付属突起の長さ・子房の位置・根茎のようす・花の付き方など全てが同じものではありません。一つの種から枝分かれし新たな種が形成されるには、少なくとも50万年かかるという考え方があるとも聞いています。途方もない年月をかけ、分化をして現在のヒメカンアオイは、分布しています。あまりにも広範囲に及ぶ分布域のために未解明な部分が多く、なかなか難しい問題でもあります。何しろ私は学者でもなんでもありません。単なる趣味者であり、素人の研究者なので、こういった問題を考えて、文章にすることも苦手なので、勘違い・間違い、など多々あるものと思います。ご意見、ご指摘頂ければ幸いです。
余談がたいへん長くなってしまいました。長々とお付き合いして頂きありがとうございました。


冬咲きヒメカンアオイの自生地のようす

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一緒に写っているものはショウジョウバカマです。

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薄い下り藤模様に一文字の谷が入った個体がありました。

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一文字模様(細い谷とも言う)

次は、車で10分ほど移動して別の場所です。山の中の林道沿いにその多くはありました。葉模様の少し変わったものもありました。

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胡麻散り斑模様

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銀葉タイプ

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