私はアマチュアの研究者で地方の山を歩いてはカンアオイの自生地を観察記録をし、時間に任せて花などの観察・計測記録を残す活動を行っています。これらの記録がいずれは中央の学者さんなどのお役に立てれば良いのですが……

今日は私が愛知県内で確認しましたカンアオイの分布状況を簡単な図にて紹介します。


☆愛知県内の主な河川です。これはカンアオイの分布に対して地質学の観点からも重要です。(詳しいことは省略します)

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矢作川は古代より存在する川で蛇行しながら現在の位置になっています。矢作川は、古くは「御川」「美川」とも呼ばれていたらしいです。これが「三河・みかわ」の語源らしいですね。直ぐ近くには「尾張の国」と「三河の国」を境に流れる「境川」が流れています。



さて、カンアオイの分布状況ですが、愛知県内には8種類のカンアオイが分布しています。

ヒメカンアオイは矢作川を境にして秋咲きと春咲き(1~4月)に分かれており、秋咲きヒメカンアオイには裏紅は存在しません。不思議ですね。

*詳しくは私のブログ(愛知県近郊のカンアオイについて)を参照して下さい。


スズカカンアオイは尾張地区を中心に分布しています。一箇所飛び地をして知多半島にて確認しました(現在は保護地にて現存しています)がおそらく古代に尾張地区より流入して何らかの原因によって分断されてしまったものと推測します。

愛知県内にはカントウカンアオイも分布しています。現在の渥美半島・知多半島南部(*これらの、地方の植物誌にはヒメカンアオイとかスズカカンアオイと記載されていますが全てが間違いですね)に分布しています。これらは、古代に現在の三重県と陸続きの時代に分布をしていたものと思われます。

*黒田啓介著「太古の東海をさぐる」より引用

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*愛知県内カンアオイ分布状況

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1…チタカンアオイ (1~2月)

2…カントウカンアオイ(9月下旬~11月)

3…イワタカンアオイ(10~11月)

4…フタバアオイ(4~5月)

5…ミヤコアオイ(2~4月)

6…春咲きヒメカンアオイ(1月~4月)

7…スズカカンアオイ(12月~3月)

8…秋咲きヒメカンアオイ(9~11月)


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