今日は、呉先生の債権総論について書きますね。
これで既刊の呉シリーズの書評は終了ですかね
おすすめ度
★★★★★(★5が満点)
<良い点>
・図表が豊富。
・呉シリーズの中で一番薄く、通読するのに時間がかからない。
<悪い点>
・全体的に記述が薄い。※下記まとめ参照。
<まとめ>
やっと出ましたね、債権総論。債権各論は来年の2月とかに出るんですかね、楽しみです。
本書の特徴としては、やはりページ数にあると思います。薄い。
薄いがゆえに、短答対策としては使いづらいと思います。★3という評価になるでしょうか。細かい知識は短答パーフェクト等の短答対策用のもので補う必要があります。
論文対策としては★5ですね。債権総論のエッセンスのみを抽出し、論文で使える知識のみを集めたという印象です。
債権総論は、多くの基本書がかなり厚めで、網羅性はあるというメリットがあるものの、通読が困難というデメリットがありました。
本書は、短答で使える記述は大幅にカットし、論文で使える記述をコンパクトにまとめています。
そして、図表が多く、適用場面が把握しやすいです。特に、詐害行為取消権部分が、条文ごとの図表があり、非常にわかりやすかったです。
個人的に保証債務、債務引受、契約上の地位の移転(この中だと特に保証債務)あたりはもう少し記述が厚くてもいいかなと思ったのですが、論文に使う最低限の知識は書いてあったのでコンパクトに学ぶためには仕方がない部分であると思いました。
債権総論は、民法を学ぶ初学者にとって最もハードルが高い科目だと思います。
本書は、初学者が基本書に進む架け橋となる役割を担うと思います。なお、個人的には基本書は読まず、演習をした方が実力が伸びるとは思います。
本書は司法試験対策として最低限の知識は押さえていると思います。一通り読んだうえで、司法試験の過去問等の演習を進め、よくわからない部分は基本書を辞書的に使って、本書に書き足していくという使い方が良いと思います。
以上です。参考になれば幸いです。
読んでいいただきありがとうございました
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