六波羅蜜とは


①「布施」

ほどこしを意味する。完全に純真な気持で行なう物質的なほどこしや精神的な恵みをいう。


②「持戒」じかい

元来は「戒」の意。これは身体(身)・言語(口から・意志(意)の三者による悪業を避けることをいい、特に身体による悪業とは殺生・ち???盗・邪婬をいい、言語による悪業とは妄語戒で、中傷と非難を娯しむことをいう。


③「忍辱」にんにく

「忍耐」の訳で敵の味方とを差別せず、高貴な者と卑賤な者との間に差別を設けることなく、怒りに対して平静で友好的な心の態度(すなわち、忍耐)である。


④「精進」

日夜怠ることなく善業に努め励むことをいう。


⑤「禅定」

「瞑想」の意の訳で、精神を一つの対象に専ら注ぐこと、すなわち自他の統合であり、真実への愛着、貴賤を問わずすべての者に対する慈悲であると説明される。


⑥「智慧」ちえ

一切を明確に見通す鋭い理智であり、さらにこの世に存在するすべての本質は空であるという認識をいう。




法華経 上 岩波文庫より