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エピローグ 新たな時代に法華経を伝える難しさ
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法華経を末法の世の人たちに語るためには、その時代の最先端の理論や言葉を法華経に当てはめなくては、人に理解させることはできません。法華経だけを学んでいればよいわけではないのです。
法華経は、弥勒菩薩という「法華経こそが統一場理論であり、法華経にこの宇宙の一切の法則性が語られている」と気づいた一人の菩薩の成長のプロセスに沿って教えが語られていきます。
しかし弥勒菩薩は、法華経が唯一の宇宙の絶対真理を語るものであると気づいた時に、文殊師利菩薩からその時代の善知識を学ぶよう薦められます。それこそ末法に生まれた如来が正法の時代に生み出された法華経を、最先端の言葉と概念に置き換えるために必要な修行なのです。
法華経において、如来の眉間の白毫から放たれた一条の光はビッグバンであり、その中に生まれた一念三千の無限の世界は並行宇宙であり、そして四つの空は、物理学で言うところの「存在の四つの力(重力、弱い相互作用、電磁気力、強い相互作用)」ということになります。
そして、これがこの宇宙全体を形作っています。
何もない、始まっていない完全なる対称性の状態、つまり真空を理解することを無生法認と言い、その真空の中で、無限の如来とその弟子たちによって同時に開かれているのが虚空会、さらにはそこで弟子たちに授けられる授記によって、真空の持つ完全なる対称性が自発的に破られて生まれた無限の宇宙のひとつが、我々の住むこの世界です。
ここでは自由に法華経を学び、真理の悟りを得る少数の正定聚もいるかわりに、大半が物欲やエゴにより地球を破壊する悪魔と化しています。しかし、そうした悪魔たちにさえも法華経との縁を持たせ、少しでも早く如来にしてあげることが、唯一の正義なのです。
スティーヴン・ホーキングは、この世界の科学のゴールとして、真空が自発的に宇宙を生み出しているのではなく、宇宙のほうが真空を使い、自らを拡大しているということに気がつきました。
それはとりもなおさず、無限の宇宙の中に生きる如来たちが、それぞれの世界で弟子を取り、解脱させ、真空の中に入れ、そこで授記を授けることにより無限の宇宙を連鎖的に増やしている法華経の教えとリンクします。
そしてこれが、本来は何もない世界のどこに生まれても、その世界の過去には如来がいてその教えを学ぶことができるという、宇宙の無限の増殖の仕組みの骨格なのです。
こうして、法華経があらゆる世界で過去に入滅した正法の如来の第五の教えとして存在し、その末法の世に生まれた如来が言葉で新しい法華経を継承し、広め続ける仕組みの中心が、宇宙が始まる前の真空の中で行われている如来と弟子たちによる授記なのです。
あなたも少しでも早く授記が授けられるよう、また、あなたが菩薩であれば、菩薩としてほかの人たちが少しでも授記を授けられるようにしてあげることが、あなたの生命としての仕事なのです。
おわり
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真訳 法華経
著者 小宮 光ニ
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読者の皆様には、最後までお付き合い下さりありがとうございました。最後の投稿を迎えられましたのも、皆様の励ましと応援があったからこそです。心から感謝申し上げます。
また、著者の小宮氏には尊敬と感謝を申し上げます。
皆様と共に、この時代に生まれて来て良かったと思います。
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