東京という場所はいつもどこか

ひんやりと冷たくて心地がいい


地元はなぜか空気が生温くて

いつもしめっぽく上手く呼吸を

する事さえままならなかった


居心地の良い東京はその冷たさが

時に鋭利な牙を持ち私を攻撃する


東京で生活するにはお金がかかる

地元の友人が少なかった私は

東京でも勿論友達が少ない

東京には地元では想像も

できなかった場所がたくさんある


お金、孤独、そして誘惑

東京という牙と向き合って

生きなければならない


この牙で傷ついた心身を今更

誰かに癒して欲しいとは思わない


でも、この孤独をお金や誘惑で

満たしても結果として

幸せになれない事は明白だ


地元に帰るという選択肢もない


東京にいる地方出身なんて

地元で満たされなかった欲求を

東京で昇華させる為に必死こいて

働きその労働で得たお金で

週末飲み屋で馬鹿騒ぎしたり風俗に

行ったりしているのだ


昇華しきれていない現状で帰れるはずがない

昇華できるかも分からない


でも今更生き方など変えられるはずがない


私はこの東京という冷たい荒野で1人

たったの2本足で必死に立って

生きていくしかない