今年の桜は遅咲きでした。
満開の時期は過ぎましたがまだ町内の桜もあちこちに残ってます。
風に揺られて散る、桜吹雪に包まれるとうっとりです。
遅いなりに桜の風景は楽しめました。
心残りは桜風味の甘味を堪能しきってないことです!
早いうちからスーパーやコンビニのお菓子コーナーで桜味のあれこれを見てはいたのですが、実際に購入したのはたった5種類。
しかもそのうち二つは残念ながら思うような桜味ではなくて・・・。
3つは美味しかったから勝ち越しって言えばそうなんですけど、桜味の甘味はこのひと月くらいしか市場に出回らないから無念でなりません。
見付けたときに即買いしておけば良かった!
ちなみに今シーズン一番のヒットは『崎陽軒 横浜月餅』の桜味です。
めちゃ美味しかった![]()
(そもそもの月餅が美味しかった。ミニサイズでお値段的にも優しい)
まだ桜風味の何某を売ってるお店はないか、これからもパトロールを強化していきます!
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『クローバーナイト』(著/辻村深月)
怖い怖い怖い。
ドクジョ(独身女性)の私にはホラーよりスプラッタよりサイコより怖い内容でした。
辻村さんの作品は興味がありつつ今まで手に取ったことがなく、図書館で借りてみることにしたのです。
初めて読むから軽そうな内容の話がいいな、とこの本を選んだのですが、想定の数倍も重かった。
ママ友の噂話や保活(保育園活動)にお受験、子供のお誕生日会のルールなどなど。
箇条書きする分には『よくあるネタじゃない』って言われそうだけど、子育てしてるだけなのに保護者の精神がこんなに蝕まれるなんて恐ろしいにも程がある。
何年か前に保育園に入れなかったママさんが『日本死ね』って呟いたことがあったけど、当時は『自分が大変なのは分かるけど、不特定多数を含む日本に向かって死ねってのは酷くない?』って私は内心、反感を覚えてたんですよ。
この本を読んで分かりました。
誰かを呪わなければやってられなかったですね。
産休育休取ったところで保育園決まらなければ職場復帰出来ないし、そりゃ追い込まれるわ。
この本を読んで当時の人の心境を理解できました。
(でもやっぱり『死ね』とは言わないで欲しい。「私もこの人から死ねって呪われた一人なんだ」と思って悲しくなった)
話逸れましたが。
ドクジョの私が知らない世界の静かで鬱屈した葛藤がありありと描かれていたのでした。
怖い。
誤解なきよう説明しますが、5作の短編連作で綴られるこの本の全ての話は綺麗な形で収まってますし、問題も円満解決の方向に向けて明るく終わってます。
過激すぎる人やマウントが過ぎる人も出てきません(過去の回想にちょっと・・・って思う人は出てくるけど)
ただ知らなかった世界が思った以上に過酷だという事実に私が慄いてるだけです。
この作品で描かれているのが、現代日本において子育てが簡単ではないという事実と、貴方が常識だと思って悩んでいる事態は狭い範囲でしか通じない常識かもしれないという警鐘です。
以下、本文より抜粋
〈他から見てどれだけ異質でおかしなことだったとしても、自分が属してる社会でそれが“普通”になるのだとしたら、感覚はどんどん麻痺していくだろう。それはおそらく、生態系が独自に進化を遂げたガラパゴス諸島のようなものだ〉
周りの人が『こうするのが当たり前』としていることでも、一歩外に出たら違う意見を持ってる人もいるかもしれない。
その場の常識に着いていけない自分を追い込む前に、もっと広い世界を見て欲しい、とエールを送られているように感じました。
この本が最初に執筆されたのが2016年。
せめてホカツの環境が少しでも改善されているように祈るだけです。
おまけ。
私が『この本は読みやすそう』と思わせた原因の裏書。
もっと気安いドタバタホームコメディーだと思いました・・・。
