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都営青山北町アパート解体工事における
港区立保育園在園児の健康及び安全にかかる要望書提出について
菊花薫る季節、ご家族様にはますますお健やかにお過ごしのことと存じます。
さてご存じのとおり青山保育園を含む「青山北町アパート」全棟建て替え工事が始まります。この都営住宅は1957年から1968年にかけて建設されたため「アスベスト(石綿)」が使用されております。アスベストは悪性中皮腫や肺がんを起こす発ガン性が認識され2006年に全面禁止となった建材ですが、現在は震災の際に崩れた建物や古い建物の解体工事のアスベスト問題に注目が集まっています。アスベストは肺に蓄積してしまった場合吸入からおおむね30年前後の潜伏期をへて、肺ガンや悪性中皮腫、などを引き起こす可能性があります。
平成11年度には文京区立さしがや保育園の改修工事の際に、対策が不十分だったために園児がアスベストにさらされるという事故が起こりました。一方2010年新宿区「東京厚生年金会館解体工事」の際は、隣接する新宿区立保育園の保護者と、事業者・行政(新宿区)・第三者機関によるリスクコミュニケーションにより安全な除去工事が行われました。
園児の毎日の生活環境の安全及び健康は、最優先されるべき大切なことと考えています。
アスベスト問題のほか、工事が始まれば1日最大10台の4t車および1日最大60台の
8~10t車(※解体説明資料より)という大量の工事車両ががれきや廃材を積んで、保育園・児童館の前を通行することとなり交通の安全が懸念されます。また多くの園児が午睡をしておりますが、騒音にさらされた場合の無意識のストレスも懸念されます。
アスベスト飛散防止や、騒音、安全などの対策を徹底していただき、園児の安全を守るため、今回、港区および東京都都市整備局/東京都住宅供給公社宛に要望書を提出させていただくこととなりましたのでお知らせいたします。
(下記に港区に提出した内容を掲示いたします。)
この活動は港区及び保育園にご報告しながら、保護者有志で行っています。
お問合せはすべて以下のメールアドレスまでお送りください。
aoyama.hogosha@gmail.com
記
1.アスベスト飛散・ばく露対策について
本アパート建物は1957年から1968年にかけて建設され、事前調査により外壁吹付塗材、石綿含有成形板及び石綿管の使用が確認されている。
平成11年度に起こった文京区立さしがや保育園の改修工事の際のアスベストばく露問題を例にあげるまでもなく、万一園児らがアスベストにばく露してしまうと、その健康被害は重大かつ深刻なものとなる蓋然性が高い上、発症までの20年以上を経過観察する必要がある等、本人・行政に著しい負担が生じることから、アスベスト問題は事前の被害防止措置が重要となる。
この点、本工事発注者である東京都住宅供給公社は 2015年6月1日に東京都が公表した「都営住宅あき家補修工事におけるアスベスト含有建材(天井吹付けひる石)の不適切な取扱いについて」に見られるとおり、アスベスト含有物の取扱いにおいて不適切な過去事例が散見され、そもそもアスベスト対策における信頼性に疑義があるといわざるを得ない。
現に、保護者代表が参加した本年10月28日に東京都住宅供給公社及び工事受注者らによって行われた近隣住民向け「解体工事説明会」におけるアスベスト対策の説明は、アスベスト工事の概要を示す資料は抽象的な記載に留まる上、周辺のアスベスト濃度管理等についての言及もなく、アスベスト飛散・ばく露防止措置が十分検討されているとは到底評価できる内容ではなかった。更に、説明会実施後に、新たにアスベスト含有部分が確認されるなど、同公社のアスベスト対策については、その適切性・十分性について重大な懸念を禁じえない。この点、同説明会への参加者を含めた近隣住民より、より効果的かつ具体的な対策の策定及びその説明を要求しているが、未だ回答は得られていない。
2010年新宿区における「東京厚生年金会館解体工事」の事例では、隣接する新宿区立保育園の保護者と、事業者・行政(新宿区)・第三者機関によるリスクコミュニケーションが功を奏し、適正かつ安全なアスベスト除去工事が行われたとのことであり、本解体工事においても港区及び第三者機関による調査、行政による適切な指導が実行されれば、被害の未然防止に高い効果を発揮することが期待できる。
そこで、港区長に対し、以下八項目の実施を要望する。
1)港区による本アパートのアスベスト調査及び撤去方法の妥当性の評価の実施、並びにそれらの結果を公表すること。
2)港区による工事現場の立入り調査の際に、アスベストセンターや東京労働センターなどの独立の第三者機関の同行を認め、本解体工事対象建物全ての外壁、共用部の階段及び天井部分のアスベスト検査(再検査含む)を実施し、その結果を公表すること。
3)港区は、本解体工事期間中にわたり、第三者機関による毎日の青山保育園園庭のアスベスト濃度の測定を行い、その結果を公表すること。
4)港区は、本アパートのバルコニー隔板・腰板、浴室煙突天板、台所吊戸棚、便所天井・腰壁その他に使用されている一切の非飛散性アスベスト含有建材(アスベスト成形板) の取扱いについて、飛散性アスベスト建材の工事と同等の工事を実施するよう、発注者等 に指導 すること。
5)港区は、発注者等に対し、現在三ケ所予定されている工事用車両出入り口(なお、これらはすべて青山保育園及び青山児童館出入り口に面している。)の仮囲いについて、工事車両通行時以外の閉鎖の徹底、また工事用車両出入り口の設置場所の変更の検討を指導し、結論の妥当性について保護者有志代表と協議すること。
6)港区は、発注者等に対し本解体工事現場の仮囲いの仕様の再検討(3メートルより高い仕様への変更及びネットや養生等の覆い等)を指導し、結論の妥当性について保護者有志代表者と協議すること。
7)港区は、発注者等に対しアスベスト含有建材の搬出時間の限定及び運搬時における保護シートの使用による粉塵防止を指導すること。また、同搬出予定日の2営業日前までの青山保育園及び近隣住民への事前の連絡(搬出予定時刻含む詳細を含む。)を指導すること。
8)港区は、青山保育園及び保護者有志代表に対し、保育園・同園庭へのアスベスト飛散事前防止策(同園庭を防音パネルで覆う等)及び保育園敷地内でのアスベスト濃度の測定の方法等必要な措置について提案し、協議すること。
2.工事車両の通行について
本解体工事が含まれる北青山三丁目地区まちづくりプロジェクトは約4ヘクタールの広大な事業面積にも拘らず公道に面しておらず、最寄りの国道246号線につながる道路は青山保育園及び青山児童館の正面の1本の私道のみであり、車道として確保できる幅は出口となる青山児童館前ではおよそ6メートルと非常に狭い。解体工事説明会によれば、1日あたり最大10台の4t車及び60台の8~10t車の工事車両の通行が見込まれるとのことである。言うまでもなく、多くの園児や児童・保護者(乳幼児を乗せた自転車含む。)が通行する狭い道路に、これだけ大量の工事車両が通行することにより、交通事故が発生する危険性が強く懸念される。
従って、港区長に対し、以下三項目の実施を要望する。
1)保育園の登園・降園の時間帯である朝8:30-9:15及び17:00-18:15の大型車両の運行規制。
2)四地点で予定されている交通誘導員の常時配置の徹底及び国道246号線に配置する交通誘導員の増員を、発注者等に指導すること。
3)警察とも連携した本解体工事現場周辺の定期的な見回り等安全確認・管理の徹底。
3.解体工事の騒音と振動について
本解体工事の騒音と振動により園児(特に乳児)の午睡が常に邪魔され園児の無意識・有意識下の精神的・肉体的ストレスによって心身に深刻な影響の懸念が否定できない。
従って、港区長に対し、以下二項目の実施を要望する。
1)発注者等に対して、本解体工事に伴って発生する騒音と振動について、騒音規制法、振動規制法、東京都環境確保条例その他適用法令等に定める規制基準の徹底遵守させること。
2)環境に配慮した低騒音・低振動の機器の使用の徹底を、発注者等に指導すること。
4.港区及び保育園との情報共有について
本解体工事地区を管轄する港区と同区立保育園である青山保育園における連携の実施、また保護者への注意喚起を図るための説明会を実施されたい。
発注者等に対して、上記1,3)に記載の毎日のアスベスト濃度測定結果に加え、月間・週間工程表以外にも、毎朝、当日の工事工程を港区及び保育園に通知し、近隣に掲示されたい。
以上