こどもの遊びにつきあうのは、正直めんどくさい。
特に『ごっこ遊び』が苦手な私は、
いろちけに誘われても必ず最初は「やだ」と言ってしまう。
最近の彼女のお気に入りは鬼太郎ごっこだけど、
一緒にやってほしいからか、主役の鬼太郎や、
かわいいねこ娘を母に譲ってくれる。
自分はねずみ男や一反木綿になってでも、したいらしい。

母がごっこ遊びを断ってくるのは標準なので、
いろちけは逃げ場のない風呂場で、ごっこ遊びに誘ってくる。
だから、毎日いやいや付き合う羽目になってしまう。

そんな面倒なごっこ遊びだけど、今日は途中から趣向が変わって『ロボットごっこ』になった。
いろちけは、一本調子な口調で、カクカクと動いている。

こっちは、いろちけを真似て一本調子にしゃべるだけでいいので・・・楽だ!

娘「ニュウヨクザイ モット イレテクダサイ」
母「ダメデス モウ イイニオイ シテマスヨ」
娘「シテマセン モット イレテクダサイ」
母「ダメデス アシタニシマショウ」

なぜか、ロボットだと敬語になる。

いつもは怒ると「なーんーでーよぅっ!!」と
すぐに可愛げなく声を荒らげるムスメが、

娘「ナンデ ナンデ ナンデ」

カクカクしながらグルグル浴槽内を回っている。


かっ・・かわいい!!

これなら、ごっこ遊びが面倒じゃない!
喧嘩にならず、なんならかわいい!
素晴らしい!!こんな遊びなら何時間でもできる!!


と思ったのも束の間。
わたしが髪を洗っている間に、ロボットさんは、ねずみ男さんに変わっていた。

残念。
いいと思ったのは母だけだったようだ。