あなたを想い続けて私は猫になった
第19章
musicianモアンとの再会
「ちょっと待って。」
カウンターあたりから声がして人影が見えた
ゆっくり美鈴の方に歩いて来る
(あ!モアン!)
憧れのモアン
にゃー!(モアン!)
モアンは美鈴の前にきた。
モアン「何処の子かな…ん。俺の名前?」
モアンは美鈴のリボンに書かれている文字に気づいたようだ。
ミャーミャー(そう、そう!モアンあなたです)
モアン「ファンの人の子かな?迷子なったんか?」
モアン「そういえばよく黒猫描いてる子がいたけど、そのうちの猫かな。」
美鈴(なんてこと!知っていてくれてる。でも名前まではわからないよね…)
美鈴が下を向いたその時!
美鈴(え?え!えっ。なにが起きた!?)
モアンが美鈴を抱き上げた。
美鈴(きゃぁ!私、モアンさんに抱かれてるー!)
美鈴 ミャー(私…このまま猫でいいかも)
モアン「店長〜。飼い主が来るかもしれないからもう暫く店の前にいさせてやってくれないかな」
店長「了解」
モアン「早く来てくれるといいね」
美鈴はモアンとファンの数人の子に囲まれて数分外にいたが飼い主が来る様子もなく、ファンの子も帰り始めた。
モアンも心配そうに美鈴を見ながら
ごめんね。というような顔をしてドアを閉めた。
幸せな時間を有難う。
ちょっぴり寂しくなって涙が出た。
きっと人間としてあなたに会うことはないかもしれないね。
(さよならモアン…)
美鈴はドアの向こう側にいるモアンに礼をしてライブハウスを離れた。
私は和磨に会いに来たのだ。
自分に言い聞かせる
何度も振り返りながらライブハウスを見た。
それから美鈴は雑踏の中へ紛れて行った。
第20章に続く


