再会


「よっ!猫ちゃん」


美鈴は頭を撫でられた。

なんかこそばゆい

見知らぬ優しそうなおじさん。


美鈴が思わず声を上げたのは

このおじさんにではなく

その後ろからやってきた男性にだった


ニャン!ニャン!


美鈴はその男性に向かって鳴いた

涙が出そうだった

そう…その男性こそ美鈴が待ってる人物なのだ

人間の時の知人なのだ


ニャンニャン!


「ん?俺よりお前がお気に入りか」


おじさんは苦笑いした


「ん?なんて」


笑いながら歩いてきた男性は


おじさんの後ろで立ち止まり美鈴を覗き込む


「お前に向かって鳴いてるからさ」


「そうなん?」


「お前猫飼ってたよな。臭いがするんかな」


ニャンニャン!


男性は美鈴を抱き上げた


「お前何処から来た?」


美鈴が首から下げているポシェットに気付いた


「買い物猫か?お前頭がいいんだな。」


ん?


ポシェットに付いているタグを見つけた


そこには


この子を大阪までお願いします。と書いてあった


おじさんが口を開いた


「なんだこの猫?なんか訳ありか?」

「気持ちは乗せてやりたいが、

でもなー。何処のものともわからんもん。会社のトラックに乗せられない」




おじさん「悪いな」

美鈴の頭をポンと付いた


おじさんと男性は自分たちのトラックに消えた

仮眠を捕らないとならない


午後10時。

男性より少し早くおじさんのトラックは出発した


月明かりに照らされて美鈴の目に涙が光る



午後10時30分。


男性「さて!行くかー」


美鈴は助手席側の窓からこの地にさよならを告げた