今回は、2020年度に人間科学部通信課程を卒業された羽生 結弦さんに、ご自身の卒業研究論文に基づいた特別寄稿をしていただきました。
世界的なトッププレーヤー として、フィギュアスケートにおける審査の正確さ向上、ならびに選手が自身の技術向上のためにモーショ ンキャプチャを使う可能性について論じています。
現時点で何ができて、何が難しいのかについて整理され ていますが、こうした実践と学問を結ぶ試みは、実践科学を目指す人間科学を発展させる機動力になると信じています。
無線・慣性センサー式モーションキャプチャシステムのフィギュアスケートでの利活用に関するフィージビリティスタディ
フィギュアスケートを極めるのであれば、スポーツ科学部の方がいいのではないかと思っていたのですが、フィギュアスケートを構成する身体の動きはどうなっているのかを知りたいと語るなど目的意識がはっきりしていた。
なるほど、だから人間科学部なのだと伝わってきました
論文は以下の3つのパートから構成されているという。
1.モーションキャプチャ技術による分析
2.2次元の映像のAIを用いた分析
3.それを3次元に構成しての分析
だから、
今回のは、1のパートからの抜粋だろうと思う。
「ジャンプの回転数を人間の目でしっかり見るのは大変なことですよね。
そこに間違いがあるというわけではないけれど、
『データをいかすことによってジャッジの人のサポートになるのではないか』という思いが綴られていた。研究の目的が自分のためばかりではない点も印象的でした」
最後に
西村教授より
「研究者としても一流になれると感じますし、羽生さんの研究テーマは新しい分野ですから、ぜひ牽引していってほしいですね。
伝え方が優れていて、指導者としても素質を感じます。研究、指導どちらの面でも今後を期待しています。
というのも、私の専門の1つに『遠隔教育』があります。文字化できる内容を教えるのは問題なくても、身体の動きや技などをどう指導するかについてはまだ課題が残っています。
それらをどうやれば教えることができるか、私も直面している壁を彼なら超えてくれるんじゃないかと思うのです」
こうして、ナンバーの記事を
改めて、結弦さんの寄稿文を
読んでから見直すと、
新しい分野であり
理論と実践を結ぶ取り組み自体が
人間科学の発展に寄与する
24HTVの時は、
選手たちの練習にも、役立てたいとも。
こんな風に毎日向き合っていらっしゃったの
かなぁ
フィギュアスケートの発展のために。
芸術は絶対的技術に基づいたもの