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Sponichi on Ice@SponichiF左が東京版(これは3面で2面に4回転半連続写真の前半も掲載してます)右が大阪版 https://t.co/wssfZHlN91
2021年04月18日 08:15
悔しそうだけど、楽しそうでもあった。羽生の一挙手一投足に、4回転アクセルに懸ける強い思いがあふれていた。45分間の練習の終了間際。リンク外周を滑りながら叫んだ。「決めようよ!」。自らを鼓舞して跳んだ最後のトライは転倒。天を仰ぎ、右足を叩いた。試合直後の疲れた体での日本初公開に、観客からは大きな拍手が送られた。
「『天と地と』に入れたいという気持ちがある。この子を完成させたい」と言った。「あと8分の1回転」とは、同大会後に語った人類初の大技までの距離。トライ数は既に1000を超えているという。それほどまでに高い壁を前にしても、羽生の志がぶれることはない。目指す完成形は、曲に溶け込ませたクワッドアクセルだ。
たしかに楽しそう
明らかな成長の跡があった。トリノではジャンプを跳ぶ目的のスピード感あふれた助走。だが、今回はフリー「天と地と」冒頭の振り付けやつなぎからジャンプ、という一連の流れを繰り返した。回転が足りなかったが、曲に組み込むことを前提としたトライだった。
夢の大技は1000本以上跳び、残りの回転は8分の1のところまできた。完成が近づいているが、あくまで目指すのは「4回転半がそろった完成された演技」。世界初成功はもちろん、その先にある音楽とスケートの融合まで見据える。
過去の国別での挑戦についても。
【羽生の新技挑戦】
▽15年大会
フリー翌日4月18日のエキシビションの練習で、試合での成功例がなかった4回転ループを決めた。同19日のエキシビションでも決め、16~17年シーズン初戦オータム・クラシックのSP(16年9月30日)での世界初成功につなげた。
▽17年大会
フリー翌日4月22日のエキシビションの練習で、当時はまだプログラムに入れていなかった4回転ルッツを着氷。17~18年シーズンのGPシリーズ初戦ロシア杯のフリー(17年 10月21日)で公式戦での自身初成功となった。
そんな中、最終日の公式練習で異彩を放っていたのが羽生だ。かねて挑戦を公表しているクワッドアクセル(4回転半ジャンプ)に果敢に挑んだ。結局、成功には至らなかったが、試合さながら周囲の視線をクギづけにした。公式戦で成功すれば、もちろん世界初だ。何度も世界の頂点に立ち、ギネス記録を樹立し、国民栄誉賞も受賞。輝かしい功績に「4A」が追加される日はそう遠くない。