今から20年以上も前、当時、町田の法律専門学校に通っていた際、近くの文房具店で買い求めた一本の格安万年筆がある。

 

当時の万年筆は、結構な有名ブランドでもすらすらと書けるものには出会えなかったものだ。何本も筆入れに入っているが、数行も試し書きをした後は。満足できずにそのままにしているのが常で、日頃はボールペンないしはシャープペン派である。

 

町田で求めた一本も購入した後、そのまま忘れ去って机の奥に放置、かれこれ5年以上も過ぎていた。何かの拍子にそれを発見して、ペン先を用紙に当ててみたところ、なんとインキを直前に入れたかのようにみずみずしく文字が走ったのである。なんてことだ、一驚したそれ以来、約15年間、その万年筆一本を大事に使ってきた。

 

しかし、経年の結果、胴体やキャップの汚れや痛みがひどくなったので、同規格ペン軸の万年筆を探しているが、全く専門知識のない自分には不案内極まりがなかった。手元にある他の旧い万年筆にはペン軸のサイズが合わず、どうにもならない。

 

ネットで探してみると、プラチナ社のPreppyという格安商品と酷似していたので、早速取り寄せてみた。よくできた商品である。インクが乾かないようにスリットシールという機能が付いている。20年前の事情しか知らない自分には、万年筆の世界も大変わりのようである。

 

町田の格安品と比較してみて分かったことだが、この旧いペンにもそのものずばりのスリップシール機能が付いているのだ。そんなわけで、旧い万年筆が購入後5年も経過したにもかかわらず、なおすらすらと書けた奇跡のような理由が分かった次第。しかも、インク注入方式は当時からコンバーター式であったのだ。残念ながら、プラチナPreppyとはペン軸のサイズが合わず、互換性はなかった。でも、Preppyも大変書き心地がよい。今後、旧ペン同様お世話になるつもりだ。

 

それにしても、この旧い万年筆は何者であろうか?20年以上も前からスリップシール方式とコンバーター方式を導入している。プラチナがスリップシールを採用し始めたのは2011年からというから、無名の商品が有名専用メーカーのテクノロジーに先行していたわけである。調べてみると、この機能は海外メーカーであるモンブランが開発したもので、スリップシールはプラチナが後日これを改良して、日本での特許を取得したということも分かった。

 

実は、町田の旧万年筆にも外側本体には会社名およびロゴが印字されている。その写真は添付のようであり、製作会社と思しき「NS TOOL CO.,LTD.」とある。検索すると、これは日進工具株式会社という会社の英文名。東証プライムにも上場されている会社なので、窓口に問い合わせてみたが、「該当なし」との回答であった。旧い社歴の方であれば、なにかヒントがあるかとも思ったが、若い女性のようであったので、それ以上はお訊きするのは遠慮した。

 

そういうわけで、このペンにつき何かご存じの方(日進工具株式会社の方を含め)おられましたら、ご教示ください。Preppyよりペン軸口径が一回り小さい規格の商品もご紹介いただけるとありがたいです。