先日夫と話していると、笑っていいのか怒っていいのかわからないようなことを
言われました。
それは私が夫に「こいつには敵わないな」と思わせた事があったと。
ほう。やけに含みがあるじゃない
ディスられる予感しかなかったが聞いてみることに。
年末のドイツ滞在二日目の朝。シュトゥットガルトのホテルでのエピソード。
前日チェックインした際に翌朝のモーニング開始時間を確認したら7時とのことでした。
で、翌朝。
疲れもどこ吹く風、日頃から早起き夫婦なので6時に目覚めて朝ごはんを待っていました。
7時に降りて行くと、誰もいないし何も並んでいない。かろうじて照明が付いているだけ
フロントスタッフ(といっても夜勤を任されている私服の男性)に尋ねると
「週末だから、モーニングは8時からだよ」と言うではありませんか
そこで私が
「えっそれインフォメーションもらってないですよ。」
と答えた後にブッフェの方を見ながら
「じゃあテーブルに座って待っていいですか?コーヒーだけでも飲みたいです。マシーン使わせて頂けます?」と聞くと
「gerneゲアネ(もちろん、喜んでの意)」
と言ってコーヒーサーバーの電源🔌を入れてくれました。
この通り👇ラテマキアートを飲んでいると、スタッフさん(写っている方)が
「オレンジジュースも飲むかい?」とジュースサーバーの電源も入れてくれたので
「ありがとう😊嬉しい♪」
で、この通りココアまでも飲む
私は欧米のこういう捌けたところが好きです。もちろん時と場合によりますし、全てに当てはまるわけでは無いですが、
日本だったらまず間違った時間を案内した時点でクレーム→お詫び🙇♀️の運びとなりますよね。
でもその解決策として、特例で営業時間外の設備利用は許可されないと思います。
・営業時間外に使用した設備での怪我(やけど)、食中毒などの責任を負えないから。
・個別に特例を認めたらキリがないから。
など理由は様々だと思います。
でも相手のミスを責めるでも謝罪を要求するでもなく、反対に相手がゲストだからとへりくだるでもなく、中間案をもってネガティブな状況を回避する。それが一番平和かつシンプルな方法だと思うのです。
私は自分がお願いしたことを図々しいとは思いませんし、スタッフの方も特例を認めたわけではなく、可能なことだから受け入れたに過ぎないと思います。不可能なら相手にしてくれないので。
日本なら、まさか私も言わないですよ!
「レストランで待たせていただきますね。先にコーヒーサーバー使わせて下さい」だなんて
そして更なるエピソードを夫が語り出すのです。
帰国日、トランジットのワルシャワ・ショパン空港のラウンジでのこと。
その前に
ポーランドにはクルフカという国民的なキャラメル菓子があります。
日本のキャラメルは歯につくほどの粘度ですが、クルフカはもっと砂糖っぽいと言いますか
口の中でシャリっとほどける食感です。
粒子が粗いでしょう?(日本でも業務スーパーで売っていると聞いたことがあります)
免税店でも買えるのですが、私は往復のフライトやラウンジで食べたり、
ラウンジを出る時に何個かもらうので買ったことはありません。
帰国時のショパン空港でラウンジを出るときに、受付に置かれているクルフカを取りながらカウンターのご年配男性(職員)に
「これほんとに美味しいですよね。私大好きなんです」と笑いながら話しかけたら
「ポーランドのお菓子を気に入っていただけて嬉しいですマダム。」
と言った後に
突然1kgのクルフカをドーンとカウンターに置いて「私からのプレゼントですマダム。」
え
えええええええええええ
そして何故か片言の日本語で「ARIGATO」と言ってくださるではありませんか。
おそらく、その時間帯のアジア便は成田行きだけだったので、日本人だと分かったのかもしれませんが
ほんの10秒足らずの会話でポーランド紳士からニコニコの「ありがとう」と1kgのクルフカをプレゼントしてもらう妻に
「俺、驚いて言葉も出なかったわ」
とのこと。
夫が言うには
「君は自然なコミュニケーションの流れで意図せずに自分を通して行くのよ海外に居る時は。
それって語学を習得するよりもある意味難しいわけよ。母国語以外でのコミュニケーションのバランス感覚は訓練ではどうしようも無いことだから」
あの時、ラウンジから1kgのクルフカを小脇に抱えて出てきた私が夫と目を合わせた瞬間に
「ごめん、オヤジご○しの癖が出ちゃった」と笑った時に「こういうところ、この人には敵わないよな〜」と思ったのだそう
それにしても「海外にいる時は」という注釈、当たっているけれど厳しい指摘だなと
普段の私はとにかく揉めない、トラブルを貰わないがコミュニケーションの優先順位にあって、何かを選択する時の物差しが「この平穏を脅かすものであるか、ないか」です。
人生の優先順位は簡単にぶれる事は無いのでしょうが、アプローチの仕方が「自分が今どこ(どの国)に居るか」によるのは、当たり前なようでとても面白いと思います。