おはようございます。
長谷川です。
昨日の産経新聞の記事をご紹介します。
○尖閣周辺に機関砲装備船 中国海警局
沖縄県・尖閣諸島周辺の領海外側にある接続水域で
3日、中国海警局の船4隻が航行しているのを海上保安庁の巡視船が確認した。
うち1隻は機関砲のようなものを装備していた。
尖閣周辺で中国当局の船が確認されるのは昨年12月26日以来。
第11管区海上保安本部(那覇)によると、機関砲のようなものを搭載していたのは海警31241。
残る3隻は海警2401、海警2166、海警2101。
領海に近づかないよう巡視船が警告している。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
たった、これだけの記事ですが
常識的にありえないことが平然と起きてしまっているということを意味しています。
「他国の領海の接続水域に機関砲という武装兵器を持って
悠々と航行する…」
完全に軍事的威嚇としか思えません。
友好国に行う行為では全くないと思います。
昨年末の記事もご紹介します。
○尖閣の中国船に機関砲か 接続水域を航行
海上保安庁は22日、沖縄県・尖閣諸島周辺の領海外側にある接続水域を
航行中の中国海警局の船1隻に機関砲のようなものが搭載されているのを確認した。
尖閣周辺は中国海警局の船がたびたび航行しており、武器のような装備が確認されたのは初めて。
第11管区海上保安本部(那覇)によると、
機関砲のようなものを搭載していたのは海警31239。
船の前後に計4基を確認した。
22日午後の時点で、海警2102、海警2307、海警2308とともに尖閣諸島の南小島周辺を航行。
海保の巡視船は4隻に領海に近づかないよう警告している。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
船の前後に4基もの機関砲が搭載されていたのです。
この記事も「武器のような装備が確認されたのは初めて」としながらも、大きくは報道していません。
私は、昨年末の段階で中国の海洋戦術が
1段階引き上げられたと思っています。
ここで中国の海洋進出に関して
順を追って説明します。
○中国のサラミスライス戦略とは?
サラミスライスという言葉は、1940年代後半、ハンガリー共産党が他の政党を「サラミスライスのように分断、消滅させた」ことで、比喩的に使われ始めました。
一つひとつが戦術的に行われ、その繰り返しで戦略的な大目標を達成するということを意味します。
中国の一連の海洋進出活動に関しても、同様に「サラミスライス戦略」が取られていると論じられることがあります。
国家基本問題研究所代表の川村純彦氏はこう述べています…
中国の海洋進出の方法とは
おそるべき…サラミスライス戦術・5つの方策
1.中国の国内法で「自国の領土だ」と喧伝する
現に尖閣諸島は中国は「自国の領土だ」とアピールしています。
2.海軍の訓練を乗せた漁船群を出す
小笠原への珊瑚礁の乱獲
そこで避難用の施設・漁業の監視所をを作ってしまう
3.相手国が非難をしてきたら、巡視船を出してくる
海警と呼ばれる船が出てきて体当たり・放水を行う
4.相手国が威嚇をしてきたら、武装搭載艦(中国海軍)が出てきて脅しをかける
5.相手国に平和的な解決を呼びかけ、領土交渉を行う
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
昨年末、尖閣諸島付近を初めて機関砲を搭載していた艦艇が航行しました。
このことは、この「サラミスライス戦術」で言うと、第4の段階まで来てしまっただろうことを意味していると思います。
マスメディアは、尖閣諸島に中国船が来ること自体
当たり前になってしまい、感覚が麻痺してしまっているとしか
思えない危機的状況に至っていると感じます。
例えば、「アメリカのハワイ付近に他国の機関砲搭載艦が
近づいたら、アメリカはどういう行動を取るのか?」
ということを比較検討しているのでしょうか?
領海の接続水域に機関砲で威嚇するようなことがあれば
本来、日本の外務省が中国当局へ非難勧告を出すべきでしょう。
今の段階で手を打たなければ
正規の中国の軍艦が押し寄せてくるのではないかと危惧しています。
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