【魔女狩りは魔女の提案だった】
今回は遥か昔の物語です。
この魔女狩りについては何度もアウトプットするように促されていましたが、ずっと躊躇していました。
例えそれが循環を滞らせるものだと分かっていても、ささやかな、いえ精一杯の抵抗をしていました。
それは古の魔女との約束だったからかも知れません。
しかし宇宙的な視点で見れば、逃してはいけないタイミングがあるのも事実であり、今と向き合い続ける日々のためにも、今回記事を書く事にしました。
これはかつてライトランゲージを用いて、異世界へと旅をした時のお話しです。
このとき訪れた世界が、今この記事を読まれている皆様のタイムラインと繋がっているかは分かりません。
ファンタジーとしてお読み頂ければ幸いです。
これはイエス・キリストが生まれる遥か昔、のちに大国と呼ばれる国が、まだ広大な領地を治める前の時代のお話しです。
当時、若き王が治める国がありました。
王は領民の安定的な生活のためにも、領地を拡大し世界を統一したいと考えていました。
武の才に恵まれた若き王は幾多の戦いにも勝利し、国は繁栄の一途を辿っていました。
そしてその国には若き王の相談役ともいえる、占い師の女性がいました。
とても美しい女性でしたが、年齢は不詳で、錬金術にも長けていたので、魔術師とも魔女とも呼ばれていました。
あるとき、その占い師は若き王にある預言をしました。
『この国は近い将来、戦や飢饉、災害などに見舞われ、たくさんの血が流れ、多くの領民の命が奪われる。その数は甚大で、この国にとって壊滅的な被害となるだろう。』
それを聞いた若き王はとても驚き、『どんな策でも良い、何とかくい止める方法はないのか。』と尋ねました。
しかし占い師は『すでに冥界において受け入れの支度は終わっており、これを回避する事は出来ない。』と告げます。
それでも『多くの領民の命が奪われ、国が滅ぶ事だけは避けたい。』と懇願する王に、占い師はある提案をします。
『策がない訳ではありません。亡くなる民の数を変える事は出来ませんが、選民する事は出来ます。』
『このままでは戦や災害などで無作為にたくさんの命が奪われます。もし若い女性を中心に選民すれば、それらの女性が生涯で産むはずだった子ども達や、そのまた子ども達の命も、冥界ではひとつの命として数えられます。命の選別をすれば、国が滅ぶ事態は避けられます。しかし王よ、あなたにそれが出来ますか。』
長い長い沈黙のあと、若き王は静かに頷きました。
そして若き王は国の宗教指導者たちを呼び、その任を与えました。
兵士たちに命じなかったのは、少しでも贖罪の念を理解し、最大限の配慮ある行動を望む気持ちからでした。
しかし功名心の高い宗教指導者たちは、これを自分たちの信仰する宗教に全土を統一するための絶好の機会だと捉えました。
特に神の教えを知る、赤毛の人々を中心に赤毛狩り、「魔女狩り」が始まりました。
宗教者たちの一派は神の御名のもとに兵士や領民を巻き込み、その行動を加速させて行きました。
それを見た若き王は、最初は宗教者たちにこの任を与えた事を後悔しましたが、エスカレートして行く領民の姿を見るにつれ、自身の判断が間違っていなかったと思うようになりました。
『人々が内に秘めたこの残虐性がもし我々に向けられていたならば国は滅んでいただろう。』
それから長い年月の後、魔女が提案した魔女狩りは終わりました。
そして大きな犠牲を払った王は、その贖罪の念を力に変えたの如く領地の拡大と、国の繁栄に明け暮れ、名実ともに大国を治める王となりました。
【追記】
しかし王を救うために占い師が何を犠牲にし、冥界とどんな契約をしたのか、若き王は知る由もありませんでした。



