渇水対策本部が出来たと思えば、狂ったように振り続ける雨・・・
本当に異常気象まっしぐらですねぇ・・・
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例えば移動中に偶然遭遇した時
例えば屋外駐車場に移動する時
例えばほんの少しだけ1人になりたくて人気のない隠れ家的な事務所の裏庭で遭遇した時
その時に突然降る『通り雨』を私はこっそり喜んでいるの・・・・
何時からだろう?大嫌いで堪らなかった人が、尊敬する大先輩に変わったのは
何時からだろう?尊敬する大先輩が、憧れる男性に変わったのは
何時からだろう?憧れる男性が・・・ただ1人の大切な存在に変わったのは・・
ずっと鍵を掛けていた
縋りついていた大切な人達に散々傷付けられて心身共に疲れ果てて、こんな思いをするのならもう二度と人を好きになんてならない
人を好きになって傷付いて自分が堕ちる位なら、一生1人で居た方が良い・・・そう思ってた
けれどそんな頑なな私の心を気付けば解き解して、厳重にかけていた鍵を全て外して、私を丸裸にしてしまった・・・とても愛おしい人
でも、私は知ってるの。
彼にはずっとずっと想い続けてる1人の女性が居るのを・・・
だから、私は絶対にこの気持ちを貴方に告げたりはしません
後輩だったら傍に居れるから・・・だから傍に居る事を許してください
優しくされると嬉しくて、貴方の表情を見ていると勘違いしそうな自分がとても怖い
大丈夫です・・・私は絶対に貴方を困らせたりしませんから、何時までも手のかかる後輩でいますから・・・
そして、貴方の幸せを誰よりも願っていますから・・・
そんな最近の私の秘かな喜びは『通り雨』
敦賀さんと一緒に居る時に通り雨に遭うと、必ず敦賀さんは私を庇ってくれる
胸元に引き寄せてジャケットで傘を作ってくれたり
傘がある時は・・・入れたり入れられたりして
その時だけは、素直に敦賀さんに包まれる事が出来る
全身で貴方を感じることが出来るから・・・それが私に出来る唯一の『甘え』
恋人でもない私に、敦賀さんに自ら引っ付く権利などありはしないけど・・・敦賀さんが抱き寄せてくれる時だけは甘えられるから
だから・・・言葉にしない代わりに、そっと服を握ることを許してください
今日も偶然会った先で降ってきた雨に何時ものように庇ってくれる敦賀さん
早くなる鼓動に気付かれない事を祈りながら
「好きです・・・敦賀さん・・・・」
「ん?何か言った?」
「・・・何も言ってませんよ?」
「・・・・そう・・・ほらそんなに体を離したら濡れるよ?・・・ねぇ、君は俺だからこうやって抱きしめられてくれるのかな?」
ただの後輩にもこんなにも優しい敦賀さん
何か言ったようだけど、顔を上げてもそこには優しい顔で微笑む敦賀さんの顔だけがあって・・・私は敦賀さんが微笑んでくれているのが嬉しくて釣られて微笑んだ
優しく全てを包み込まれるように抱き締められることで、気持ちが漏れそうになるのを必死で堪える
絶対に気持ちは告げません、だから・・・小さく小さくそっと呟く私を・・・後輩になれない私を許してください
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最近とても待ち望む『通り雨』
君と会う時に雨にあえば、俺は君を抱きしめる事ができるから
何時からだろう?不純な動機で芸能界入りした気に食わない存在から、認めても良い存在に変わったのは
何時からだろう?認めても良い存在から、可愛い後輩に変わったのは
何時からだろう?可愛い後輩から・・・ただ1人の大切な存在に変わったのは・・・
ずっと自分を縛(いまし)めてきた
罪を犯した俺は幸せになる権利など存在しないと・・・もう二度と誰も好きになってはいけないと
けれど君に出会って・・・それが10年前の初恋の女の子だと判って、君を知れば知るほど・・・俺の縛めはどんどん解けていった
けれど俺の手は汚れていて、綺麗な君に触れる権利など無い
だけど、どんどん綺麗になってどんどん羽ばたく君に惹かれる者を見る度に、身勝手な嫉妬に苛まれる
日本に来てから誰も崩せなかった『敦賀蓮』と言う仮面を、いとも容易く剥ぎ取ってありのままの俺を見てくれる愛おしい人
でも俺は知っている
君が母親や不破・・・それに心無い奴等の仕打ちで受けた傷はまだ塞がる事無く君を傷付けている事を
君は『愛情』を否定するけれど、本当は誰よりも『愛情』を求めている子だと言う事を
君の唯一の拠り所である、アイオライト・・・その石のお蔭で君はまだ壊れていなくて、俺は君と再会出来た
けれど、まだ今の俺にはその石の過去の持ち主のコーンが俺自身であることはまた君にも伝えることが出来ない
まだ君に俺の気持ちを伝える事は出来ない
けれど、俺は君の中で望む形とは違うけれど『特別』な位置に居るから
その『特別』を利用して、君に触れることを許してほしい
俺の気持ちは君だけに捧げる・・・けれど、まだそれを告げる時期ではないから
だから・・・雨から君を守ると言う盾で、君を抱き締めさせて欲しい
俺がこんな風にするのは君だけなんだと・・・君だけが俺の『特別』なんだと早く気付いてほしい
俺は君を俺自身の手で幸せにしたい・・・俺の我儘だけど、君を幸せにする権利は俺が欲しい
俺には・・・君が他の男の手で幸せになる事を望めない
雨が降ってきた
俺はまた『先輩面』して君をこの腕に閉じ込める
素直に体を預けて俺を拒まないその姿に・・・俺は有りもしない期待を寄せてしまう
君はそうやって、俺以外の男の腕にもこうやって収まってしまうのかな?
勝手な想像で胸の奥が痛み・・・それを拭い去るように君を抱く腕に力を込める
けれど君はそれを拒むことなく・・・俺の服をそっと掴んでくれた
ただそれだけの事が酷く嬉しくて、顔が緩むのが判る
ふと見ると、君が俺の胸に顔を埋めて何か呟いた気がした
「好きです・・・敦賀さん・・・・」
「ん?何か言った?」
煩く響く心臓に気付かれないようにと願いながら、平静を装って尋ねても
「・・・何も言ってませんよ?」
君はそう微笑んで否定するだけ、何故そんなに泣きそうな顔なの?何故俺に抱き締められてそんな顔をするの?
期待しそうになり・・・思わず気持ちを告げてしまいそうになる口を必死で止める
「・・・・そう・・・ほらそんなに体を離したら濡れるよ?・・・ねぇ、俺は君が好きだよ・・・君は俺だから抱き締められてくれるのかな?」
言葉で言えない代わりに君を抱き締める俺を許して
でも、ほんの少しだけ・・・君に聞こえない程度に俺の気持ちを告げる事を許して
微かに聞こえたかもしれない俺の声に反応して、俺を見上げる君が愛おしい
自然と俺の顔は笑顔になっていた・・・それを見て君は少し照れながらも笑ってくれたそれが酷く俺を幸せにする
それぞれがそれぞれの想いを抱えてヒッソリと寄り添う
雨が上がるまでのほんの少しの・・・秘密の逢瀬
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はい!しんみりしたの書きたくなりましたー!!(開き直り)
