最極の生を生ききる夜の花
散りし先にはあやかしの国

*これより下、いじめなどの
PTSDをお持ちのかた、ご遠慮下さい。
おとといの夜、ありすパパが
夜桜を見に行こうと、
車で 夜桜を楽しみました。

満開の夜桜は、まるで
あやかしの国にいるような、
そんな錯覚におちいりました。
桜は不思議。
昔の記憶が、ふと
甦る。

私は、学校時代、
いじめを受けていました。
学校に来ないなら、
殺すぞと、同じクラスの子に
脅されながら、
毎日 登校していました。
ある日、学校に行かなかった日、
同じクラスの子から、
刃物で切りつけられ、
私は、殺されかけました。
しばらくして、
私の家の庭の池の鯉 40匹が
死にました。
私の家では、父の趣味で、
錦鯉を飼っていました。
私は、確信しています。
あの40匹の鯉たちは、
私をいじめていた子に、
殺されたのだと。
それから、数十年が経ち、
私は、人つてに
私に刃物で切りつけた子の家族が、
4千万円の借金をつくり、
夜逃げしたと、聞きました。
4千万円といえば、
あの錦鯉が40匹で 4千万でした。
不思議です。
因果はめぐるのかもしれません。
自分の身に、人の身に。
なぜ、私はいじめられ、
殺されかけなければならなかったのか。
もし、前世というものが
あるならば、今の生の、
はるか遠くに、
残忍な記憶が眠っているのかも
しれません。
神のみぞしる。
あやかしの国のなかで、
桜をみながら、
思い出したくもない、
残酷な記憶が甦りました。
記憶はいつか
なくなっても、刃物で傷つけられた
私の体の刃物傷は、
今も 残っています。
人間は、残酷な生き物です。
しかし、私は 私を殺そうとした
彼女を 許しています。
犯行当時、わずか9歳だった彼女は、
幸せだったはずが
ありませんから。
人を許せるような私に
なれたからこそ、
私は 今年も 幸せな気持ちで
桜をめでております。
人を許す。
彼女を許すまで、数十年かかりましたが
彼女のおかげで、
私は人を真底、許せる人間に
脱皮できました。
また、来年、さ来年、
幸せな気持ちで 桜をめでたい。
夜の桜は不思議です。
思い出したい記憶、
思い出したくもない、記憶の
ふたつを
思い出させてくれました。
やはり、
夜桜は、あやかしの国の
番人なのかも、しれません。
