今年の大みそかの「第71回NHK紅白歌合戦」が無観客で開催を検討していることが16日、分かった。
いまだ収束の気配を見せない新型コロナウイルス。年末の風物詩にも、大きな影響が出そうだ。今年の開催の発表はまだだが、同局関係者は「無観客、生放送を基本線にして行う予定です」と明かした。
感染防止対策を徹底するため、ソーシャルディスタンスの確保と3密回避が至上命令になる。そこで浮上するのが、同局の敷地内をフル活用したプランだ。
これまでもステージだけでなく、ホールロビーや2階客席、07年にGACKT(47)が「川中島の合戦」を再現し、08年にMr.Children、14年に中島みゆき(68)が歌唱した最も大きな101スタジオ、昨年の竹内まりや(65)の102スタジオなどを使用。それ以外にも多くのスタジオが利用可能で、「シブヤノオト」の真心ブラザーズ、BiSHのように同局の屋上を使うこともできる。
8日に放送された同局の音楽特番「ライブ・エール~今こそ音楽でエールを~」は「ウィズコロナの時代の夏の紅白」と銘打ち、無観客で実施。出演者がステージと客席から3密を回避しながら歌声を届けた。別の関係者は「紅白を意識した作りだった。例年であればバンド、ダンサーを含め数百人の規模になるが制約が出てくる。その分、歌の力に重きを置いた演出になるだろう」と語った。
コロナ禍に入り、「うたコン」(火曜・後7時57分)は6月から無観客の生放送を継続中。一方で「NHKのど自慢」(日曜・後0時15分)は13日に再び開催中止が発表された。秋から冬にかけて新型コロナが流行する恐れがあると言われており、一部を事前収録にする案もあるという。
1973年6月に開館したNHKホールは来年3月から耐震工事で休館。改修前最後の紅白になるが、前例がないだけに臨機応変な対応が迫られそうだ。