俳優、渡哲也さん(享年78)の訃報から2日たった16日、石原プロモーションの後輩俳優、舘ひろし(70)は気丈に新作映画の撮影に参加した。関係者によると、渡さんの「静かに送ってほしい」という遺志を尊重し、故人への思いを胸に仕事へまい進。現場では普段通り撮影に取り組んだという。また、石原プロ出身の俳優、峰竜太(68)はこの日、テレビ番組で「いい道しるべをつけてくれた人」と渡さんをしのんだ。
【写真】炊き出しの焼きそばを作る舘ひろしと渡哲也さん
10日に肺炎のため亡くなった渡さんを敬愛する舘は、この日も粛々と映画の撮影にのぞんだ。
14日の密葬は故人の遺志で家族や近親者らのみが参列。“対面”が実現していない舘のショックは計り知れないが、関係者によると「いつもと変わらず取り組んでいました」と仕事に集中していたようすだったという。
舘は、渡さんと初対面した際のあいさつで故人が立ち上がって握手をしてくれたことから「この人なら、ついていける」と石原プロに入社。その後、渡さんの筋の通った生き方に心酔してきた。
2018年公開の主演映画「終わった人」でモントリオール世界映画祭の最優秀男優賞を受賞した際には「今の自分があるのは渡のおかげ。ただ一人、『ひろし、おまえには華がある』と言ってくれたから、それに支えられて俳優を続けてこられた」と感謝。来年の舘の誕生日、3月31日に石原プロは俳優マネジメント業務を終了。先月の会見で、解散後は「渡次第」と渡さんと行動を共にすることを公言したばかりだけに、心の整理には時間がかかりそうだ。
それでも恩人のためにも普段通り、仕事に専念。渡さんの訃報が発表された14日は終日CM撮影をしており、別の関係者は「仕事に救われているのではないか」と舘を気遣った。
一方、石原プロに25年所属した峰は、この日、レギュラーを務めるTBS系「アッコにおまかせ!」(日曜前11・45)で渡さんに言及。
石原軍団解散が公表された先月、20年ぶりに電話をし、「本当にお疲れさまです」と伝えると、「竜太、石原プロをやめてよかったな。たいしたもんだよ。よかった」と声を掛けられたという。「渡さんは良い悪いがはっきりしていて、誠実で腰が低い人。いい道しるべをつけてくれた人です」と感謝した。