■過去のANSEM通信より一部抜粋して記載しています■

ANSEM通信の配信お申し込みは こちらから
::::::::::::::::::::::::::::::

 

手にも顔にもできるのにメイクで隠しきれなかったり、コンシーラーやファンデーションで厚塗りになってしまったりと、悩みがつきないシミ。

 

シミのあるなしで肌の印象が変わってしまうので、気にしている方も多いかと思います。シミの治療法でよく聞くレーザー治療について、種類が多すぎてわかりにくいと感じることはありませんか。サロンやスキンケアカウンセリングなどで相談された際にアドバイスできるよう、美容のプロとして知っておきたいことをまとめてお伝えします。


◆シミ治療にレーザー治療が選ばれる理由◆

・ピンポイントでシミに照射するため、まわりの肌へのダメージが少ない。

・一度の照射でシミが目立たなくなったり、薄くなることが多い。

・内服薬や化粧品などより早く効果を実感できる場合が多い。

 

 ◆レーザーの波長と照射できる深さ◆

 シミ取りに用いられるレーザーは、特定の波長の光を出す機械のことです。光の波長が機械によってちがい、波長によってどのくらいの深さまで到達するかが変わってきます。医師はシミの種類や状態に応じて適切な波長の機械を選んで照射します。美容医療で使用されるレーザーには、黒い色素に反応するものと、赤い色素に反応するものがあり、シミ取りに用いられるレーザーは黒い色素に反応しメラニンを破壊することができます。

 

◆照射時間の違いと熱エネルギー◆

 レーザーを照射する時間のことを「パルス幅」と呼びます。シミ取りなどでは10億分の1秒間(ナノ秒)という短い時間で照射します。レーザーの種類によって、照射するパルス幅が異なり、さらにパルス幅が短いものが1兆分の1秒間(ピコ秒)です。

 

パルス幅が短いほど照射時間が短くなるので、熱エネルギーがシミ周囲の組織に伝わりにくく、ダメージを最小限に抑えることができます。また、ターゲットであるシミを狙い撃ちすることで、熱エネルギーが肌の深部まで届きやすくなったり、作用を強くすることができるという特性があります。
 

◆代表的なレーザー機器の種類◆

・Qスイッチルビーレーザー 

レーザー治療の定番といわれるもの。694nmの波長はメラニン色素への吸収率が高いといわれている。

・QスイッチYAGレーザー 

2つの異なる波長を放出できるため、肌の浅い部分から深い部分まで幅広く治療することができるといわれている。

・ピコレーザー(ピコシュア)
熱エネルギーではなく、衝撃波でメラニンを破壊するタイプのレーザー。熱による肌ダメージを抑えながら、より細かくメラニンを破壊し排出をうながすといわれている。 


◆肝斑へのレーザー照射は悪化させることも◆

 刺激で増えることがある肝斑への照射は注意が必要。レーザーをあてることで逆に濃くなってしまったり、色が抜けなくなってしまうなど、悪化させることもあるため、医師のカウンセリングでしっかりと見極めが必要です。

 

◆痛みやダウンタイム◆

 一般的に輪ゴムではじいた程度の痛みと言われることが多い。照射するシミの範囲が広い場合は表面麻酔をすることもあります。赤み・腫れ・かゆみ・乾燥を感じることが多く、24時間程度で落ち着くことがほとんどです。ヒリヒリとした痛みを感じる場合は氷水でよく冷やすとやわらぎます。火傷のような痛みが数日続く場合は、施術を受けたクリニックを受診しましょう。

 
◆ シミ取り効果は永久ではない◆

 1回のレーザー治療で消えたように見えても再発することがあります。シミの種類・深さ。濃さ・サイズ・数によっては複数回の照射が必要になることも。事前のカウンセリングでどの程度の回数が必要か予算と合わせてじっくり検討する必要があります。

 
◆ 注意すべき点◆

 レーザー照射をしたあとの肌はとてもデリケート。

紫外線を受けることで刺激となり、色素沈着や再発の可能性が高くなります。治療後、1週間程度は専用のテープを貼って保護して様子をみます。患部にかさぶたができることがありますが、自然にはがれるまで触らないようにしましょう。かさぶたが剥がれたあとも、最低でも約3ヵ月程度は日焼け止めや日傘、帽子などで紫外線を避けるようにしましょう。

 

◆まとめ◆

 シミといっても様々な種類があり、発生する原因や治療方法が異なります。事前カウンセリングで医師にしっかりと診断してもらい、治療法についてじっくり説明を受けることが大切です。根深いシミは美容治療だけでは完全にはなくならないし、新たなシミを作らせないためにも、日頃のシミ対策のセルフケアと組み合わせて、上手にシミと付き合っていきたいですね。
 

 

〜過去のANSEM通信より掲載〜