■過去のANSEM通信より一部抜粋して記載しています■
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人体に必要なミネラルの中でも、特に不足に気を付けたい鉄分。頭では分っているつもりでも栄養素が実際に足りているかどうかは見えないために図りにくいですよね。
今回不足すると起きやすい症状からみる鉄分の必要性などを探り、日々の食生活スタイル設計にお役立てください。
貧血とは「酸欠状態」のこと
血液中の赤血球に含まれる色素、ヘモグロビン濃度が低下した状態を指します。ヘモグロビンは全身へ酸素を送り届ける役割をしているので、貧血は体が酸欠状態になっているのと同じこと。血が足りなくなるイメージがありますが、全身が酸素不足のような状態になることでめまいや動悸、息切れなどの症状が表れます。
フェリチンって?
鉄分を大量に保存でき、体内にストックするために肝細胞・膵臓・骨髄など全身に存在しているたんぱく質がフェリチンです。食事や飲料で体内に取り込まれた鉄分はまずヘモグロビンに使われ、余るとフェリチンにくっついて貯蔵鉄として蓄えられるそう。
体が鉄不足を感知するとこの貯蔵鉄から使われていきます。鉄分は普通預金と定期預金のように分けて存在していると考えても良いかもしれません。
鉄分不足が起こす症状
貧血以外に様々な症状を引き起こす鉄分不足。例えば肌荒れ、睡眠障害、うつ、倦怠感や長引く風邪などにも関係しているようです。
長期化すると爪の変形に表れることは比較的よく知られていますが、口角や舌の痛み、心臓の雑音、稀に氷を好んでよく食べるようになるなどがあるとも言われています。
ANSEM受講生は、「血流」の大切さを繰り返し学びますので、運ばれる血液内に酸素が足りないことで起きる全身への影響は、繋げて考えやすいですね。
体内の鉄分を枯渇させないために
「鉄分を体に貯蔵させておく」ために最低限留め置きたい大切な事柄を記しました。
・動物性食品に含まれる「ヘム鉄」と、植物性食品にふくまれる「非ヘム鉄」がある。
・吸収率や食べ合わせを考えると、偏らずに両方を摂りながら「バランスの良い食事」の大切さに行き着く。
・物理的に血液を失うならなお定期補給すべき栄養素。
・サプリで補う、鉄なべ等の調理器具を活用するなど、習慣化出来るものを日常に取り入れることも視野に日々出来る工夫を。
フェリチンが所有する貯蔵鉄が枯渇している状態は隠れ貧血といわれ、目に見える症状が表れずとも貧血であることもあり注意が必要です。ちなみに鉄分はコラーゲンの合成にも欠かせないミネラルですので、不足すること自体損した気分です。
おわりに
成人女性の鉄分を挙げるなら、1日に約0.8mg、さらに月経期間中は+0.5mgのの損失があるそうです。物理的に定期的に排出される時期があるからこそ意識した食生活が望まれるのでしょう。
レバー各種、ひじき、あさり、かつお、小松菜、厚揚げなどが鉄分が多いことで知られていますが、あまり食卓に並ばない食材を是非手に取ってみませんか。
ビタミンCを一緒に取ること、鉄の吸収を妨げるコーヒー・紅茶・緑茶は時間差にするなど工夫して吸収率もUPさせていくことも専門家として心得ておきたいですね。
<参考>
・e-ヘルスネット/厚生労働省 ホームページ
・一般社団法人日本臨床検査専門医会 ホームページ
・医療法人誠恵会 のなか内科 ホームページ
・森永製菓株式会社/ホームページ
執筆:薬事法管理者・爪肌育成カウンセラー
木下ゆみ先生
〜過去のANSEM通信より掲載〜