助からないだろう
誰の眼にも明らかだ
激痛に耐えきれず
泣き叫び
苦しみ
傷ついた躯
見た事もない汗の量と
嗅いだ事もない臭気に
意識が遠のいていく。

刻一刻と悪化する状況
目前に迫った『死』という闇に呑み込まれまいと必死に叫び叫び叫び続ける
そのあまりに重い命の叫が皆をすくませ手足の自由を奪う
大丈夫だよ
そう言いながら
躯を押さえつける
常軌を逸した状態

そこへようやく彼が来た
誰もが正気を失い緊迫した状況の中でも

彼は冷静で顔色一つ変える事なく静かに歩み寄る
助けてほしい
万に一つの望みを託し

皆が彼を見つめる

『『駄目だ』』

死の宣告

彼はそう言い放つと
手際よく準備をし
『処置』を施すため
ソレを持ち
躯に触れようとした時

逃れる事の出来ない
『死』への恐怖
生への執着が

魂を揺さぶり狂わせた

凄まじい力で
皆を突き飛ばし
汗と血を撒き散らせ
もう機能を果たさない
内にあるはずの物を引きずり
外へ飛び出していった

その凄惨な状況に
吐き気をもよおし
追い掛ける事が出来ない
異変に気付いた仲間の
泣き叫ぶ声と
生きたいと願い強く叫ぶ命の声が胸を締め付ける
早くその恐怖と
苦痛から救ってあげなければ
皆でもう一度
精一杯に押さえ付け

彼が勢いよくソレを突きたてた

振り解こうと激しく抵抗するが
効果はすぐに表れ
血まみれの躯が
手を擦り抜け
冷たい床へと倒れ込む

一つの『『命』』が終わりを遂げようとしている
大丈夫だよ
眼を綴じて

その大きな瞳から涙を流し
躯は痙攣し
やがて呼吸が浅くなり

無限の世界へと
旅立って行った