黒木亮氏の「獅子のごとく」を読みました。
主人公のモデルは現ゴールドマンサックスの
日本支社長である持田氏。
表紙もGSがオフィスを構える六本木ヒルズですね。
事業を営む実家を取引銀行に破たん処理された時から
日本の銀行などのエスタブリッシュメントとの
持田氏の壮絶な戦いが始まります。
フィクションとされ名前は違うものの
黒木氏の小説には実在の人物が登場します。
かつての知人が出てくる事を
楽しむ人もいらっしゃるのではないでしょうか。
日本の金融史ともいえる数々のM&A、TOB。
80年代初頭から日本が死にゆく現在にいたるまで
ケーススタディとして読むだけでも勉強になります。
西武鉄道、NTTドコモのIPO、三井住友銀行の増資・・・。
読み応えがあったのは当時の大蔵省の片山さつき氏が
ゴールドマンに敗北するシーン。
本には書かれていませんがこの時実際には
ブッシュ政権下で財務長官まで務めたポールソン氏が
プライベートジェットで駆けつけて圧力をかけたとか。
まだ現役でご活躍の持田氏ですが、
白人以外で初のパートナーとなり、
マネジメントコミッティ入りを果たした人物だそうです。
投資銀行のパートナーがどの程度の地位かというと
資産数百億を築くのみならず
パートナーとなったイギリス人のとある男性は
女王陛下からSirの称号を与えられていらっしゃいました。
古き良き時代の外資投資銀行のお話でした。
明日も素敵な一日をお過ごしください。