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売れたら興味ないコラム③

話が逸れたが最後に、最終段階として、大合唱がある。
「みんな一緒に歌ってくれ!」
とかそういうのとは訳が違う。
とにかく歌う。
サビだろうがメロだろうが全部歌う。
本人の声が聞こえない程に。
これ最終段階だ。
これくるとああもう終わった、と思う。
楽しみ方は人それぞれだから何も言わないが、
その代わりに俺は「もう次のライブ行くのやめようかな」と思うのだ。

そのバンドが嫌いになったわけじゃない。
音楽は好きだ。
ライブは見たい。
ただあの空間でどのように過ごしたらいいのかと、
持て余してしまうようになった自分に気付く。
お金を払って後ろの人達の歌声を聞き、好きなバンドは背伸びしたってセンチ単位でしか見えない。
自分がいつの間にかマイノリティになる瞬間。
それが最後だ。

それが耐えられないのは、ここがそうでなかったことを知っているから。
始めから知らなければ、ここはこういう場所だと思っていた。
だけど俺は既にプラスからスタートしてマイナスに向かっている自分を自覚してしまっている。
キャパ100人の小さなライブハウスで、同じ音楽を愛する知らない人達とライブを共有出来たあの頃はもう帰ってこない。

そしてライブを見なければCDを聞く回数も減り、いつしか忘れていく。
これが俺の「売れたら興味ない」の原理。
まぁつまり多分、俺の好きってその程度ってことなんだ。
本当に好きならば、RadioheadやSyrup16gならば、
ライブなんてなくったって永遠なんだ。

売れたら興味ないコラム②

2つ目が、客層が変わることだ。
これ1番嫌なり。
売れてくると徐々にキャパが増えて、いつの間にかZepp(2000人収容)クラスになる。
すると「今まではいなかった人達」が来る。
それは喜んであげよう。
広く音楽が認められたってことだ。
それはいい。
ただ彼ら、知らないことが多過ぎる。

まず黄色い声援を出す。
「アッくん」
テナーホリエアツシのことだ。
彼はひなっちにアッくんと呼ばれているが、ライブ中にこう呼ばれるのを嫌う。
「ライブのテンションが下がるから」
これを彼は5年ほど前に言っていた。
俺だってここ3年くらいしかテナー聞いてないけど、それくらい知っている。
それを知らないって単純に愛が足りないと思うんだ。
「カッコイイ」
いつだったかエルレ細美が言っていた。
「俺達はあと10年もすればかっこよくなくなる。そのとき俺らの音楽を聞いてくれてるのかってことなんだよ」と。
その通り。
サンボマスターとか駄目なタイプですか?
「結婚して」
最近のバンプはコレらしいよ。
気持ち悪くて寒気がする。

次に、オシャレな人が増える。
これも人の勝手だと思われるが、そうではない。
オシャレは邪魔だ。
頭頂部のポニーテール、おだんごは後ろの人が見えなくなるから迷惑だ。
結ばないのはもっと迷惑だ。
他人の長い髪が纏わり付いて心底気持ち悪い。
それから綺麗なお姉さんに多いのだが、
「痛い!痛い!なによ押さないでよウザッ!」
みたいな人。
押しているのは俺ではない。
俺の後ろの1,000人だ。
俺を睨まれても困るし、俺だって押されている立場だ。
少し体が当たったら「チッ」みたいな顔で俺を見る、綺麗なお姉さん。
心底勘弁して欲しい。
満員電車で押さないでって言って叶ったことがあるか?

ヒール。本人が転倒しようが自由だが、踏まれた人が怪我をする。
スカルプ。どれだけ折れようが自由だが、当たった人が怪我をする。

「モッシュ、ダイブする人が悪い。しなければ怪我なんてしない」
それも正しいとは思う。
しかしライブハウスではきっとモッシュダイブは一生なくならない。
ライブハウスが郷であればモッシュダイブもまた従うべき郷だと思う。
もちろん君もやれという意味ではない。
つまり嫌ならば、自分を守るならば、フロントエリアには来るべきでないということだ。
何故ならフロントエリアは単純に危険だからだ。
どれだけたくさんの人がモッシュダイブを禁止したって、絶対になくならない。
何故ならモッシュダイブを忌み嫌う人と同じくらい、モッシュダイブを愛している人がこの世には存在するからである。
それがライブハウスという場所であり歴史であるからだ。
自分の居場所を見つけること。
これは何年たっても俺は毎回緊張する。
「うまくライブハウスに収まれるか」
これで楽しさが決まってしまうから、ちゃんと自分のスペースを確保出来るかどうか、毎回毎回どきどきしながら入場するのだ。
静かに見たいときは端へ。
押したいときは後ろへ。
押されても近くで見たいときは前へ。
TPOではないが、その時に最善の場所がある。
それを考えていただきたい。
特に、最前で押されて倒れそうになってるのに無理して下がらない女子へ。

売れたら興味ないコラム①

「telephonesがメジャーデビューした」
と誰にともなく呟いた俺に、目の前の友人が言った。
「喜んであげなよ。売れたら興味ない(バンプの何かの歌詞らしい)みたいな、君のことだよね」と。

別に俺だって売れたら興味ないという訳ではない。
売れてたって好きなもんは好きだし、まぁ正直飽きたんだとしても売れたからという理由ではないはず。
そもそもバンプは好きじゃないし、そんな歌詞を歌う彼ら自身が興味を失せさてせる代表例みたいなもんなんだ、自覚あってのことだろうけども。
そんなわけで「売れたら興味ない」について、自分のことを分析するつもりで熱く長く語る。

「売れたら嫌」なことは大きく2つある。
まずはバンプ、アジカンを代表とするホールツアーだ。
ライブハウスでぎゅうぎゅうになりながら汗だくの中で音楽に集中していたものが、
売れたらこれホールツアーだ。
いつの間にか座席指定のコンサートだ。
音は拡散し、本人はモニターでしか見えない。
もしくは背の低い俺、見えない。

これはどれだけ好きなバンドでもさすがにテンションが下がる。
少なくともMAXではない。
音の拡散という面では、広い場所が似合うバンドもいる。
それは気にならない。
でも、音が広がって霧散して途端にヘボくなるバンドも、確かにいるのだ。

じゃあホールではなくエルレやホルモンみたいに無理矢理ライブハウスで強行しよう。
もうチケットが取れない。
これも「売れたら嫌な」という意味では困る。
メール予約が次第になくなり、先行で当たらなくなり、早朝からチケットぴあに並ぶはめになる。
ただこれは、ホールに比べれば別にかまわない。
好きだから努力して取るのだ。
愛があるから毎日先行チェックするのだ。
ぴあに5時から並べない奴は好きだなんて公言するな。
だからチケットに関しては売れたら困ることは困るが、特別嫌なことではない。
ライブハウスの雰囲気と空気と音、これが重要なのだ。