イギリスから別送品として送った数少ない私物が、入院中に届いていた。
退院後もひきつづきノンビリした生活をするつもりでいたので、ちょっとうれしい忙しモード。
イギリスを離れる決心をした時、とにかく必要最低限の私物のみを日本に送り、それ以外はすべて手放すことにした。そう、イギリスを離れる理由になってしまった憎きガン、そしてそれを私に思い出させてしまう物たちをすべて過去としてイギリスに残して、日本で新たにスタートしようと思った。
でも、現実はそんなに簡単じゃない。
自分の人生の大部分である33年間を捨て忘れることは簡単にはできない。悲しくてつらい思い出もあるけれど、それ以上に沢山のいい思い出だってある。
若さゆえの自分勝手さ、不注意さとそれに負けないくらいの行動力。たくさん笑って、たくさん泣いて、たくさんケンカもしたし、たくさん仲直りもした。
今日までの33年間があるから今の私が出来上がった。
それらの記憶は私の中に残る貴重な宝物。
でも、やっぱりイギリスでの自分の好きなものに囲まれた生活も懐かしい。
例えばこの天井の装飾は100年以上前のヴィクトリア時代からいまだ残っているもの。
上の写真の暖炉もそう。
休みの日に犬たちと一緒にこのリビングルームの床でよく一緒にお昼寝した。
弁護士から、もうすぐ私のフラットが売りに出るという連絡がはいって、かなりセンチメンタルになっているみたい。