黒い箱から
ポロポロと零れ落ちる
キラキラと遠くまで響く
真っ直ぐに 世界を洗いながら。
私が買い取った時
既に貴方はキズだらけだったけど
その優しく鋭くて凍り付いたような音色が
私の物になった事が嬉しくて
嬉しくてしょうがなかった。
「貴女の名前は今日からジャンヌ。」
ジャンヌと名付けたのは…
清く正しく美しく
孤高のプライドを持ちながらも
常に人々に優しく
自らが信じるものに祈りを捧げ続けた…
そんなジャンヌ・ダルクのように志を高く持って奏でられるようにとの願いを込めて。
ジャンヌは楽譜通りに弾くのが好きではなく、私が楽譜を閉じると同時に鍵盤にのせた私の指を操って、いつも新しいフレーズを生み出す。
ジャンヌと出会うまで出来なかった事。
前のジャンヌの持ち主はどんな人だったんだろうね。
ジャンヌはその人が恋しい?
でも私は、いつでも気持ちを受け止めてくれるジャンヌに感謝してるよ。
嬉しい時も 悲しい時も
寂しい時も 楽しい時も
ジャンヌはいつでも真っ直ぐ。
ありがとね。
これからもよろしく。