美しいものを美しいと感じる感覚、新しいものや未知なものにふれたときの感激、思いやり、憐れみ、賛嘆や愛情などのさまざまな形の感情がひとたびよびさまされると、次はその対象となるものについてもっとよく知りたいと思うようになります。そのようにして見つけだした知識は、しっかりと身につきます。
消化する能力がまだそなわっていない子どもに、事実をうのみにさせるよりも、むしろ子どもが知りたがるような道を切りひらいてやることのほうがどんなにたいせつであるかわかりません。
もし、あなた自身は自然への知識をほんのすこししかもっていないと感じていたとしても、
親として、たくさんのことを子どもにしてやることができます。
たとえば、子どもといっしょに空を見上げてみましょう。そこには夜明けや黄昏の美しさがあり、流れる雲、夜空にまたたく星があります。
子どもといっしょに風の音をきくこともできます。それが森を吹き渡るごうごうという声であろうと、家のひさしや、アパートの角でヒューヒューという風のコーラスであろうと。そうした音に耳をかたむけているうちに、あなたの心は不思議に解き放たれていくでしょう。
雨の日には外にでて、雨に顔をうたせながら、海から空、そして地上へと姿をかえていく
ひとしずくの水の長い旅路に思いをめぐらせることもできるでしょう。
あなたが都会でくらしているとしても、公園やゴルフ場などで、あの不思議な鳥の渡りを見て、季節の移ろいを感じることもできるのです。
さらに、台所の窓辺の小さな植木鉢にまかれた一粒の種子さえも、芽をだし成長していく植物の神秘について、子どもといっしょにじっくり考える機会をあたえてくれるでしょう。