「火の中に未来を読み取ることができますか、ジム船長?」
と、オーエンが訊いた。
ジム船長は愛情のこもった眼で一同を見廻し、それから再びレスリーの生き生きとした顔と輝く眼に戻った。
「あんたがたの未来を読むのに火は要りませんわい。あんたがたみんなの幸福が見えますて
ーあんたがたみんなのなー
ーレスリーとフォードさんもー
ーここになさる先生と奥さんもー
ージェム坊やもー
ーまだ生まれちゃいないがこれから生まれる子供達もな。あんたがたみんなの幸福が見えますてー
だが、いいかな、苦労も心配も悲しみも来ることでしょうて。


必ず来るものだでな
ー宮殿であれ、小さな夢の家であれ、どんな家でもそれを閉め出すわけにはいかなんだ。だが、あんたがたが愛と信頼を取りそろえて打向かえば、先方に勝を取られることはないですて。この二つを羅針盤と水先案内にすればどんな嵐でも切り抜けられるですよ」


老人はふいに立ち上がり、片手をレスリーの頭に、もう一方の手をアンの頭にのせた。
「二人とも立派な優しい婦人達だ。誠実で忠実でたよりになる。


あんたがたの夫は町の門にすわってあんたがたのおかげで名誉を得るだろうし、子供等は立ち上がってあんたがたを祝福するだろう」
このささやかな場面に不思議な荘厳さがあった。
アンもレスリーも祝福を受ける者のように頭を垂れた。ギルバートは急に眼を手でこすった。オーエン・フォードは幻覚を見ることのできる者のように恍惚としていた。しばらく一同は無言のままだった。小さな夢の家はその思い出の貯えの中にもう一つ鮮やかな忘れがたい瞬間を加えたのであった。