ロンドン徒然日記  -2ページ目

ロンドン徒然日記 

ロンドンの様子、スペイン旅行、食べ物、日本への一時帰国のことを中心に語っていきたいと思います。

現在、ロンドンのSt.Martin劇場で上演中のアガサ・クリスティ原作の『The Mouse Trap (ネズミ捕り)』は、ロングランの世界記録を持つ演目です。

「The Mouse Trap」は、1952年11月ロンドンのアンバサダー劇場で初演後、1974年にここセントマーチン劇場に移り、日曜を除きほぼ毎日(コロナ期除く)72年間上演されています。

題名の「The Mouse Trap」は、イギリスの童謡 「Three Blind Mice」からきています。これが劇中の事件と関係しています。

劇の舞台は、第2次世界大戦後の1950年代初めのバークシャー州にある田舎のマナーハウス。そこは、ゲストハウスとしてオープンしたばかりです。

登場人物は、そこのオーナーの若夫婦、5人の泊まり客の男女、そして若い刑事の8人です。

ある日、泊まり客の一人が殺されました。大雪の為、ゲストハウスは、外部から閉ざされました。この中に犯人がいるようです。
泊まり客達、そしてオーナー夫婦 全ての人達が何か訳ありで、何か隠していそうです。
さて、犯人はいったい誰なのでしょうか?

劇は、2幕物で、合計2時間20分(途中休憩20分)
舞台セットは、マナーハウスの居間で、落ち着いていて歴史を感じさせます。
そこに登場人物達が、出入りし、語りあったりして、個々の性格が次第に明らかになってきます。

泊まり客達は、時には、お互いに反目しながらも、そこで思い思いの時間を過ごしている様でした。

私は、全ての会話を正確に理解出来た訳ではありませんが、俳優さん達は、「上手いなぁ」と感じました。登場人物の独特なキャラクターを見事に演じています。やはり、シェークスピアを生んだ国の役者達だけあります。

全ての人々が疑心暗鬼になり、物語はだんだん佳境に入っていきます。私は舞台に引き込まれましたが、結局犯人を当てることができませんでした。さすが、ミステリーの女王 アガサ・クリスティーです。

劇は終了し、カーテンコールの際、出演者の一人(犯人)が、「誰が犯人かは、あなたの心の中に鍵をかけて秘密にしておいてください。」と最後に挨拶するのが、お約束になっているようです。

満員の客席の人々の拍手喝采で幕が閉じました。
観客のほとんどが白人で、年配のイギリスらしき人々が多かったように思いました。古き良き時代を懐かしんでいるようでした。


劇の面白さも、さることながら、この劇場のレトロな雰囲気と開演前や幕間に流れる音楽が、舞台にぴったりマッチしていて、その点もかなり満足度の高い観劇となりました。

セントマーチン劇場客席の様子(開演前) 
座席数552席
最上階アッパーサークルから撮影

美しい天井のガラスドーム

劇場1階ロビーで今回の上演回数を知ることが出来ます。

劇場内で、プログラムを購入すると、今回の上演回数のスタンプを押してくれました。

セントマーチン劇場の外観

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