私は過去に 2度の離婚 を経験していました。
だからこそ、彼と出会った当初、
結婚という未来はまったく考えられませんでした。
自分は結婚に向いていない。
そう思った理由は、過去のお相手だけが悪かったわけではなく、
私自身にも確かに「直せなかった部分」があったからです。
どこが悪かったのか、
何ができなかったのか、
本当は自分が一番よくわかっていました。
だからこそ、また同じ失敗をしてしまうのではないかという不安が常にありました。
彼には、いろんな話をしました。
本来なら聞かせたくないような、過去のことまで。
でも、彼の話の受け取り方や、人を安心させる話し方に誘われて、
気づけば自然と心の内を開いていました。
そして彼は、私のことを驚くほどよく理解してくれました。
理解した上で、
私の喜怒哀楽を自由自在に動かしてしまうような、そんな人だった
と今振り返って思います。
当時はそんなこと、少しも感じていませんでした。
ただ「安心する」「嬉しい」「大事にされている」
その感覚だけでいっぱいでした。
でも今、ひとりでゆっくり考える時間が増えると、
「あの時、彼はどうしてあんな言い方をしたんだろう」
「あの言葉の意味は何だったんだろう」
と考えたときに、
とても深い答えに気づくことがあります。
私は、目の前で起こったことに対して
感情がすぐ上がったり下がったりするタイプでした。
彼は、その私の性質をちゃんと理解していて、
だからこそ喧嘩のあとには必ず謝ってくれました。
「君が一番大事だよ。」
「大丈夫、ちゃんとするから。」
欲しい言葉を、いつも正確にくれる人でした。
でも——
私は彼に、本当の本音を言えていたのだろうか?
今になって思うと、
私は言えなかった。
言わなかったのか、言えなかったのか、
その答えを探しても、まだはっきりとは見つかりません。
ただひとつだけ分かるのは、
彼は私の心を深く見抜いていたのに、
私は彼の心の奥までちゃんと見ようとしなかった部分があったこと。
それを、今は静かに反省しています。
宙の便COCORO舎記