都会の真ん中で
気がつけば
ビルの間に、路地裏に貴方の面影を探している。
時々突如、窓ガラスに浮かんでは
物悲しく微笑んでみせる。
貴方に逢える期待と悦びで
胸を焦がしながら振り返るけど、
そこに貴方はいない。
貴方と見た、オレンジ色の光と
オレンジに照らされた貴方の頬を思い出す。
バックミラー越しに貴方を追いかけて、
はしゃいだあの日。
貴方の優しいブレーキが好きだった。
何度もあの道を通った日のことを
思い出すよと
悲しい目で笑ったね。
窓ガラスに突如現れた貴方の姿は、
私を郷愁に誘う。
貴方の声がどこかから聞こえる。
貴方の指が、髪に触れた気さえする。
振り返っても貴方いない。
今日は新月。
東京の街はいつもより
濃いオレンジに染まっている。


