- 農協の大罪 (宝島社新書)/山下一仁
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常識と言われることは疑った方が良いと言われる事がありますが、この本はまさにそれを考えさせられた一冊でした。
暴露系の本は鵜呑みにするのは危険ですが、参考情報としては勉強になりますね。
個人的に非常に興味を持った内容だったので長いですよ・・・。
題材は農協(農業協同組合)。
農協はその名の通り、農業を営む方のためにあるものです。
時代がめぐり、いつの間にか農家のためになっていないということがわかりやすく書いてあります。
なんでもそうですが、母体が大きくなると運営していくだけでも大変なことです。
いつの間にか、運営し続ける事が目的となり、誰のために、何のためにと言うことを見失うのは良くある話。
農協は米の販売手数料を得るため、高い米価を維持しようとしているそうです。
また、機械や肥料を大量に売りたいがため、兼業農家を支援しているそうです。
専業農家は環境にやさしい農業を行っているようですが、兼業農家は土日の空いた時間に手入れをしなければならず、必然的に機械や農薬に頼る形になってしまうからです。
その他にも、米の流通量を制限するための減反政策などもあります。
米を作るよりも減反して補助金をもらった方が儲かれば誰も米作りなんてやりませんね。
汚染米が一時期問題になりましたが、それはミレニアムアクセス米と言ってWTOで決められた輸入米だそうです。
国内に輸入米が流通しにくいよう、高い関税を維持したいがため、その代償として日本が受け入れたそうです。
ミレニアムアクセス米が国内に流通すれば、米価が変動してしまうので全て倉庫保管。
結果、腐るし保管料もかかるという悪循環。
それを処分していたのが三笠フーズのようです。
こうしてみると、事件の裏側がわかってきてなるほどと納得させられます。
本来はそんな目的で作られたわけではないのでしょうが、現状は違ってきているようです。
ここまで大きくなってしまうとそう簡単には変わらないでしょうが、改善していく必要がありそうな内容ですよね。
ちなみに、この本の中で私が一番勉強になったのは
日本が資源大国だと著者が主張している点です。
一般的に日本は資源のない国の代表のように言われます。
資源がないからこそ、海外から輸入した資源を加工し、輸出することで大きくなってきたと。
その為、物作りの国と言われています。
それが資源大国だったというのです。
なぜか。
答えは
『水』だそうです。
資源と言われる物の一つに石油があります。
石油と言えばアラブ。
資源があれば発展できたのであればアラブはもっと産業発展しているはずと。
それができなかったのは工業が発展しなかったからだそうです。
物作りとは極論でいえば工業です。
その工業で必須なものが良質な水なんだそうです。
鉄などを加工する際には必ず水が必要です。
それも大量に。
アラブにはその水が少ない。
日本はその水が豊富。
降水量は世界でもトップクラス(世界第三位)だそうです。
取水量に関しては世界一。
取水量が世界一である要因の一つが、ダムの代わりとなる水田です。
その水田を日本は減反政策と言って減らしているんです。
せっかくの資源を自分たちで減らしていっているのも同然ですね。
また、
水田や畑ですがいったん休ませてしまうと新たに作物を作れるようにするまで数年かかります。
これは田舎出身の方ならご存知の方は多いはず。
作物は土で作りますから、手入れの行きとどいた土でないと育ちません。
本来は減反ではなく、いかに維持していけるかが重要。
食料自給率を上げる事も重要ですが、
本当に大事なことはいざという時にすぐに作物を作れるように田畑を維持しておくこと。
これが著者のもうひとつの主張です。
専業農家が私の親友にいます。
農家は本当に大変だと、彼に教えてもらいました。
真夏の炎天下でも外で一日中作業。
必死に育てた作物が猪にやられたり、台風で飛ばされたり・・・。
若い世代がITなどを駆使して農業を効率的に進めているなどニュースなどでも良く聞きます。
今後が楽しみな分野でもありますよね。
いざとなったら助けてね!K君!(笑)
長くなったのでこの辺にしますが、非常に読みごたえのある本でした。