島田市最終処分場立地地区住民が反対せざるを得ない理由 | あんくら島田のブログ

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『安心して暮らせる島田を作る市民の会』
私たちは静岡県島田市での「震災がれき広域処理」への疑問から活動を始めた年齢や立場・市内か市外かなどの「枠」にこだわらない個人有志の集まりです。


 


↑ご協力有難うございます☆-( ^-゚)v






昨夜、こちらの資料を頂きました。
最終処分場のある島田市初倉の谷口地区から、島田市に対して出された質問と回答です。





まず、これを読んで感じたのは、「何だこりゃ?」という感覚でした。
本当にこんな回答?

一つづつ、照らし合わせてみたいと思います。

【立地問題】
 道路一本、フェンス一枚外は茶園です。半径300m先には人家が8戸、茶工場が2工場あります。そして、その先数キロは牧之原大茶園が広がっています。全国でもトップクラスの有料茶産地です。もし、風評被害が出たら島田市の茶業のみならず、静岡県の茶業界にとって大打撃は必至です。

市からの回答→
風評被害については、国が責任を持って対応することになっていますが、全国各地で災害廃棄物を受け入れようとしていますので、風評被害は起こらないと考えています。


【構造的問題】
 急斜面(約17度)で下に行き次第狭くなっていて漏斗状です。雨の日は川を作って流れ込んでいます。様子はユーチューブ(http://ameblo.jp/ankurashimada/entry-11208659623.html)で見て下さい。このことは、先日市民会館で開かれた講演の講師の先生もこの場所は不向きだと指摘されておられました。

市からの回答→
先日の市民会館での講演会において、講師の先生は「溢水することは管理上好ましくないが、覆土があれば表面を流れる水には、セシウムはほとんど検出されない」との回答で、現状の場所は不向きであるとの指摘はありませんでした。


【管理問題】
そもそも放射能を含んだものを処分できるように作られていません。現に今、沈砂溝の底の土から300ベクレルのセシュウムが検出されています。大雨の水と一緒に大井川に流れ出ていくでしょう。

市からの回答→
300ベクレル/kgのセシウムが検出されたと言う場所は、沈砂池でありますが、最終処分場の土だけでなく、周辺茶畑の土も含まれています。


【飲料水問題】
下流2キロには初倉の半分(大柳、旧初、谷口、沼伏、月坂、色尾)の住民の人たちが使う水道の水源地があります。この先、何年も飲み続けなければならないと思うと不安でなりません。一刻も早く処分場より上流に水源地を確保して下さい。
今、島田市からでる一般ゴミも約50ベクレルのセシュウムが出ていると言われます。だから同程度のものを持ち込んでもいいという理屈は通りません。

市からの回答→
 埋め立てる飛灰は100ベクレル/kg以内で、放射性物質として取り扱わないものであり、水源地に影響が出ることは考えられません。また、自然界にも放射能は存在していますので放射性濃度がゼロになることはありませんし、島田市のごみと同程度であるからこそ、問題が無いと考えています。


これを受けて、同地区の自治会長は、裏面に以下の文章をつけて谷口地区に回覧し、又、島田市の自治会連合会68人の自治会長にも送ったそうです。

 


最後のところの

皆さんのご理解と御知恵を拝借して何とかこの問題を穏便に解決したいと思いますのでよろしくお願いいたします。

住民の気持ちはこれに尽きるのだと思います。


こんな状態の中、また市長は本焼却を進めることを発表しましたね。
http://www.47news.jp/CN/201205/CN2012050701001290.html


20~24日にがれき第1弾搬入 静岡県島田市
 静岡県島田市の桜井勝郎市長は7日の記者会見で、岩手県大槌、山田両町の震災がれきについて「20~24日に本格受け入れを開始できる」との見通しを表明した。第1弾は山田町からの約10トンで、詳細日程は静岡県などと調整した上で来週にも発表する。



 県内へのがれき輸送と自治体への割り振りを調整している静岡県から、今月下旬ごろに山田町のがれき約40トンをコンテナで運ぶめどが立ったとの連絡があった。このうち約30トンは静岡市での試験焼却分。



 島田市の焼却炉が25日から定期点検に伴い約1カ月停止するため、その前に処理するという。



                                2012/05/07 17:04 【共同通信】



同地区の住民の方が、講演会の講師に質問を送り、回答を頂いていますのでご紹介します。



宮脇健太郎 様

平成24年3月25日、島田市民会館でホールで開催された「放射性物質と災害廃棄物にかかる講演会」を拝聴いたしました。私は、最終処分場の位置する近隣に茶畑を所有する者ですが、下記の処分場の構造及び盛土の手法並びに降雨時の水処理等に付いて教えてもらいたいと思います。






(1) 島田市が試験焼却した山田町のチップ(10.28t)は平均16.4Bq/kgの放射能濃度でした。市長は5,000t*3年間=15,000tを受け入れ、溶融するとしています。田代環境プラザのバグフィルターで殆ど外部環境に放出することがないとすると、最終処分場には約2億5千万Bqの放射能が付加(島田市に降下した福島第1原発事故由来の放射能に加え)されて、埋め立て処分されることになります。
※実際は、検出限界以下とされていますが大気中に放出される排ガスや溶融スラグ・メタルにも放射能は含まれるはずなので、この数値より最終処分場に運び込まれる放射能は減ると思います。







→ 
隣接地を利用されているためご心配だという点,非常に理解できます。数値については,おっしゃるとおりだと思われます。なお,濃度については経年的に減少します。理由の一つはセシウム134の半減期が短く,昨年3月時点ではセシウム134,137は1:1近かったものが徐々に変化し,現在は0.7:1位にはなっているようです。このため3年目には2割程度は低くなる可能性があります。また,検出限界以下でもゼロではないので,微量にその他に分配されることが予想されますが,多くは処分場に搬入されると考えます。






(2) 平成23年度の1箇月平均の溶融飛灰は約152t、これに山田町の災害廃棄物15%を混焼すると言いますから179t/月が溶融飛灰の量と仮定します。田代環境プラザの稼働日数を20日とすると約9t/日が最終処分場に搬入されると考えられます。島田市では溶融飛灰の単位体積重量を1.0としているので約9.0m3処理されます。






→妥当な計算と考えます。





(3) (2)の溶融飛灰を搬入して丁張を設置した個所に敷均し、即日覆土(50cm)して締固め1サイクルが終わると考えると不可解な点があります。50㎡位の面積に敷均ならすとして18cmの厚さにしかなりません。1箇月の搬入量全部位を敷均し50cm覆土する位が通常の土工サイクルではないでしょうか?パワーポイントの配布資料の17島田市の最終処分場を見ると即日覆土して19埋立関連のポンチ絵(Cs廃棄物2.5m、覆土0.5m)の様にはなりそうもないと思われます。
即日覆土できなければ、最終処分場付近には強風が吹くため、溶融飛灰の表面から空中に粉塵部分((1)の放射能)が飛び散ったり、雨水が溶融飛灰((1)の放射能)を砕きながら下流側に流し出す恐れがあります。
また、覆土材が砂礫土を使っているように見えますが粘性土を使用すべきではないでしょうか?






→ 処分場を1月11日に視察した際,1日分の量を確認しております。現在は,大体3~4m四方で高さ50~70cm程度で置かれていました。この上に20から30cm程度の即日覆土をされていました。この高さで管理されていると言われていました。写りが悪いです,右上写真中左側の上をつぶした山を例としてあげています。
 19は,もう少し多量に廃棄物処分する場合で,処分量が多く溶出濃度が高くなるイメージで作成しています。(誤解を招いているようであれば申し訳ありません。)
即日覆土は,搬入後きちんと行っているという説明を受けました。このあたりは,市民の方と市できちんと確認するようにしてはいかがでしょうか。レキ分が多いようには思いましたが,細流分が全くないわけでないと感じています。覆土施工や表流水管理が悪いと,上記表面を流出する可能性はあるので,丁寧に管理することを望んでいます。講演会当日に大雨の際に,覆土が削れるという話もありましたので,また市も検討されるはずです。






(4) 島田市の最終処分場(面積:32,000㎡)は高低差約40m、頭頂部から大井川に向かって約230mと17%以上の勾配がある斜面上に設置されており、堰堤の規模から最終の出来上がり形態(造成は段々畑)は、県内の静岡・浜松の最終処分場(堰堤が大規模で平地部分が沢山出来る)の形態と大きく異なっております。
時間30mm程度の降雨があれば、この最終処分場に降る雨だけで960m3/hとなり法面の流出係数0.7を考慮すると672m3/hの雨水が表流水として堰堤の水通しを流れ出るのではないでしょうか?最近よく発生するゲリラ豪雨や台風時期ともなれば80mm/hを超す雨が降ります。表流水は土を食み放射能とともに流出します。






→流出係数の点は,覆土の土質にも寄るかとは思います。
表流水が,覆土を浸食し,内部の飛灰を押し流すとすると流出する可能性は出るかと思います。集中豪雨などについては,梅雨や台風時期に向けて検討が必要と考えます。先日も,市の方とも対応を取られると良いという話をしております。






(5) 島田市は平成23年11月以前に田代環境プラザにおいて溶融飛灰の放射能濃度を測定していないようです。島田市のホームページには12月以降の計測数値のみ記載されています。市長は3月11日以降島田市にも山田町以上の福島第1原発事故由来の放射能が飛来し汚染されていると発言しています。既に島田の最終処分場には、昨年4月から今年の2月にかけて1671tの溶融飛灰が搬入されており、平成23年12月の68Bq/kgをその前の月に適用すれば1億7百万Bqの放射能が埋め立てられたことになります。
島田の最終処分場の放射能に関するモニタリングをし、山田町の災害廃棄物受入前の現況がどの様な状態になっているのかデータを公表すべきと考えますがいかがでしょうか?






→他の地域の処分場では,7月頃は非常に高く,徐々に年末に向かって濃度は減少しています。既に搬入した量は,それなりに多いと予想されます。例として大学の近くで,データを公開している施設の濃度変化を示します。昨年6月~2月で見ると1/3に減少しました。





 
多摩清掃工場webサイトデータを整理





掘削して過去の灰を出すことは飛散の可能性を高めるのであまりお進めしません。処分時は,水分を含んでいますが,乾燥している部分を掘削する可能性も出てきます。いくつかの市で上記の様なデータを公表しています。市民と市で協働し,ある程度は推測で行うことをお進めします。
また,試験溶融直前の濃度は結構高くなっていたようです。かなり変動のある地区かもしれませんので,この点も推定は容易でない理由になります。






(6) 最終処分場のある大井川右岸下流には右岸地域住民の水道水源があり、大井川の伏流水を取水しています。最終処分場からの大雨時の流出状況を見ると取水源における放射能に関するモニタリングも実施しデータを公表すべきと思いますがいかがでしょうか?


→ 東京都などは水道水質については計測されています(取水地点ではありません)。これは,主に河川の水を利用しているからです。既に大井川底泥にも昨年3月に沈着したセシウムは含まれているはずです。処分場へ搬入予定の総量,濃度から考えると,影響を与えるとは思えません。安心のためであれば,処分場の影響という意味ではなく,大井川の影響が伏流水に出るかどうかをみるためモニタリングすることは良いかもしれません。







(7) 資料17最終処分場のポンチ絵で遮水工が底面に沿ったところに設置されているだけでなく点線を見ると地面に直角方向にも設置されているように見えますが、島田の最終処分場はそのようになっていないのではないでしょうか?






→ 鉛直方向の遮水は,通常は行われておりません。底部の地盤の透水性が非常に低い場合に,底面に沿った部分を省き,鉛直遮水をすることが法では認められております。ただこの方法は,問題が多く,新設の処分場では作られていないはずです。
なお島田市の処分場は,やや古いようですので,セシウムの件とは別に,今後も丁寧な管理が行われることが必要だと思われます。





(8) 最終処分場・取水源のモニタリングは化学物質等に付いて通常1箇月に1度とされている様ですが、廃掃法が本来予定していない放射能に関するモニタリング頻度は常時が望ましいと思います。いかがでしょうか。





→ 浸出水放流水(処理後の水)は有害物質について年4回程度詳細分析を行っているところもあります。もちろん自治体により頻度を上げていることもあります。なお,参考として,旧来の原発から発生する低レベル放射性廃棄物を処分する場合は,地下水の放射性物質を1ヶ月1回となっているので,これを準用しているようです。きちんと管理されている処分場であれば,環境・人間への平均的な影響を見るということであれば,この頻度で十分と考えています。






以上
島田市阪本住民


ご回答として不十分な点もあるかとは思います。また,お送りいただいた試算方法については,ほとんど,問題ないと考えています。条件については,いくつかコメントさせていただきました。






市民の方(特に近接地で業務,居住されている方)と市で十分理解,検討を深めていただき,将来の方針などを決定されること望みます。理論上・設計上は安全でも,市と市民で協働し,丁寧な管理,確認をされることが安心につながると考えます。


他の島田市民が宮脇先生に送った質問メールと回答も、併せてご覧ください。
http://ameblo.jp/ankurashimada/entry-11209920810.html









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