3.11岩手県大槌町からの報告-1 | あんくら島田のブログ

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『安心して暮らせる島田を作る市民の会』
私たちは静岡県島田市での「震災がれき広域処理」への疑問から活動を始めた年齢や立場・市内か市外かなどの「枠」にこだわらない個人有志の集まりです。


安心して暮らせる島田をつくる市民の会のブログ




青山手記=3.11慰霊、被災地の現場から

家の基礎を残しただけの大槌町安渡地区。灰色の世界に、
ぽつんと赤い神社の鳥居。目にまぶしい。
地区にそびえる
鳥居から岡の上の階段を結んだ火の道は、拝殿、そして鎮
座された導きの神さるたひこにつづいている。



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2012年3月11日午後15時30分。
去年の津波襲来
時刻に合わせて神楽の奉納演奏を神主その他神職の方によ
りおこなわれた。「神様に連れてってもらおうね」と力な
くつぶやく神主。そこかしこで慰霊がおこなわれており、
地区にはガレキ撤去の自衛隊以来、久しぶりの人の気配、
花束を抱えた町民で溢れていた。この日二度目のサイレン
と共に黙祷が捧げられた。


500の御霊を灯した夕刻、朝から降っていた雪と風はや
み、代わりに星空が顔をのぞかせた。去年の同じ時刻、大
槌はまだ水の中だったと聞く。津波が明け方まで何度も何
度も押しよせて、市街地は湾と化し、その湾はガソリンス
タンド爆発による火の海だった。そう涙ながらに語ってい
た4月の大槌稲荷神社の神主さんを思い出す。


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一年を機に3月8日、大槌町が震災後初めて発表した町民
犠牲者リスト。大槌町民が安否確認のためあれだけ欲しが
っていたリストには、犠牲になられた方の名前と年齢が無
情に列挙され、神社に寄せていた20代のカップルは同級
生数名の死をそこではじめて知ることになる。泣き言も言
わず、ただ黙って数ページに及ぶリストを見つめ続けてい
た。この日一周年に合わせて神社に身を寄せた仮設暮らし
のお年寄りはリストをみて具合が悪くなった。以前お茶だ
しでお会いしたときは豪快なばあちゃんだった。100人
からの大所帯でばあちゃんは料理係。砂糖の袋をやぶりさ
かさまに全部、醤油を注入するときなどそっぽをむいたま
まどばどば、瓶まで煮込んでしまわないか心配で、避難所
でばあちゃんのあだ名は豪快ばあちゃん。ムードメーカー
だった。


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あの日、大津波から神社に駆け込む被災者の姿を想像した
。津波で濡れた衣類のまま、冷たい階段を走って登ってき
た方も大勢いたそうだ。せめて今年の階段はみんなの気持
ちで温かくなって頂けたら。思い入れの蜜ろうそくを樹齢
数百年の木々に囲まれた階段に灯していく。狛犬がうかび
あがり幻想的な風景。光明に導かれる御霊の想像は安易。
今夜は温かくなりそうだ。


3.11青山真虎 手記 続く



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