「青の闇」

ひたひたと歩み寄る 青の闇
手を伸ばす 空へ
あなたは行ってしまうのね
言葉もなく
眠る
身を横たえて 微笑する
皮肉な笑みを目に浮かべ
あなたは嗤う
そっちに行っちゃいけないよ
あなたは聞く耳も持たず歩を進める
一歩一歩絡みつく藻を掻き分け
そっちに行っちゃいけないよ
海に溶けたあなたの身体は波となり水面となる
雫となり涙となる
音もなく透徹した身体を沈め
青の闇は温度を持ち
雨となり雲となる
色を持ち 水面に映る
光は地上を照らす
もう大丈夫
そこには苦悩も喜びもない
あなたは手を上げ目を瞑る
そこには静けさがあった
静かな微笑みがあった
何も聞こえない

ひとり頬杖をつく
水の中

意識は飛沫の中へ
深く深く

水面に映る


ふやけた指先

目を瞑り
海を浮かべる

渇いた口唇を潤す


藻は揺れる

陽は傾き
木々の輪郭は消え

夜がやってくる

灯が灯され

しびれを切らした蝙蝠が跳ねる



何も聞こえない
何も聞こえない
身を委ね
漂う箱に乗せられて
行き着く先は
何処かと
問うた心に
答なく

身を律し
漕ぐ舟唄が
指し示す
地へと
心が
道標

行く末は
定めて
自己の
望み知る

我のみぞ知る
運命かな