私は1995年に、あるプロテスタント教会で洗礼を受けました。

そして1997年にはゴスペル教室で講師としての活動がスタートしています。

その間、わずかたった2年！？信じられない短さです・・・

いや、この2年間の間に、さまざまなことがあって、

今までの人生の中での「もっとも闇黒な時代」

と言ってもおかしくない日々でしたし。

しかし、それがなければ、ゴスペルシンガーにはなっていなかったと思うので、

これはこれで、必要だった時期だと思います。

ただこうやって、単純に振り返ってみても、

私のゴスペルシンガーとしての歩みと、クリスチャンとしての歩みは、

切っても切れないつながりがありますね。

カトリックになる最後の大きなハードル

2012年ぐらいでしたか・・・

私がNYに来て、今の主人のところに居候させてもらい、その間に彼の影響で、

カトリック信者になるべく、RCIAという、

いわば、カトリック教徒になるための学びプログラム、に通うようになりました。

その時の住まいは、同じNYでも、Riverheadという、

ロングアイランドの東のまた東、

マンハッタンまでは、車でラッシュがなければ1時間半、電車では2時間半、

という、かなり遠いところに住んでいて、そのRCIAのクラスに通うために、

毎週、毎週、マンハッタンの教会まで車で通っていました。

それも1年以上かかりました。

全部英語で、しかもなかなか難しい内容で・・

（できれば、キッズのクラスに行きたかった。。）

英語力のハンディキャップはあったものの、リードしてくださるFather Bobや、

私のスポンサー・デビーの温かなサポートによって、

なんとかdrop outせず、持ちこたえられました。

その最後の大きなハードルが、Confession＝告解、というものでした。

よく映画なんかでも観ますよね、神父さんが小さなお部屋にいて、

そこにひとりずつ入っていって、透けるついたて越しに自分の罪を告白して

赦しをいただく、っていう、あれですね。

カトリックになるにあたり、その年のイースターの前に、

一度はConfessionを済ませないといけない、という課題だったんです。

プロテスタントでは、どんなに大きな罪を犯しても、

祈りの中で神様に告白すれば罪は許される、という教えでした。

なので、そういうシステムはありませんし、

一度もConfessionなんて、やったことがありません。

もちろんカトリックでもその教えは同じです、が、

それをさらに、ちゃんとConfessionする、というのが一般的です。

同じRCIAのクラスメートの人たちと、教会のイースターにて

Confessionとは

まず聖書時代、イエス様は人に赦しをお与えになった時には、

イエス様はその人をごらんになって「あなたの罪はゆるされた」と言われました。

その言葉はもちろん聞くことが出来ました。

赦しを頂いた人にとって、イエス様の言葉は耳にずっと残ったでしょうし、

イエス様のイメージは心に刻まれたことでしょう、

そしてその肩に手を置かれたならば、その感触でさえ

いつまでも鮮明に思い出されるような素晴らしい体験として残ったでしょうね。

私たちは心や思いの中だけでは生きられません、私たちは体を持っています。

神様が私達を愛されていること、そして罪の赦しを与えて下さることを

心と身体で体験する必要があります、

それを提供する場が教会、というわけです。

目で観れて、耳で聞けて、体で感じて、臭いをかげて、舌で味わえて・・・

神様が人に与えて下さることを体現する、と言えばいいでしょうか。。

そういう行いをSacramentと呼んでいます。

（→日本語では秘儀というようです）

confessionもsacramentの一つ、

confessionはFood of Soulとも呼ばれ、

とても大事なsacramentとされています。

私にとっては、ものすごく大きなハードルでした

ただ・・・私にとってはじめてのことでしたし、

しかも英語でやらなきゃいけないですし、

それはそれは、ものすごく緊張しました〜〜！

ある程度、告白する文章のフォーマットをいただいて、

祈りつつ、自分の告白したい罪をリストアップして・・

ちゃんと紙にプリントアウト（2ページ！）して、

その場で読めるようにして臨みましたよ。

その時の住まい（Westburyというところでした）の近くにある教会で、

意を決してconfessionしたんですが、ドキドキでconfession roomに入って、

ボードの前にひざまずいて、Sign of the Crossをしてからの〜confession、

用意したページをゆっくりと読み始めました。

しかし、読んでる間中、もうなんだか泣けて泣けて・・

神父さんが途中で２度もティッシュを差し出してくれて（笑）、

最後は「とても良いconfessionでしたよ！」と何度も言っていただけました。

私の罪を咎めるようなこととか、あーしろ、こーしろは一切なし！

何も触れられませんでした。

ただpenance（その罪の代価を支払う、という意味で）として、

その教会のFood Box:教会で行われる食料に関するチャリティー活動

のための献金箱、や、なにかのFood ministryのために、

いくらでもいいから献金しなさい、だけでした。

最後に、 "I absolve you from your sins."「あなたの罪は許された」

という宣言をいただき、祝福していただき、

晴れてconfession roomを出た時には、安堵と平安とで・・

またまた泣けました〜〜！！

いや〜〜、ほんとに緊張した。。けど、素晴らしい体験でした。

こんなに素晴らしいとは思ってませんでした。。

なんでも、Confessionを聞く神父は、それなりの訓練を受けている、

しかも神父だけができる、というものらしいです。

また神の御名によって行われる、神に対する「聖なる」告白ですから、

Confessionの立場を離れたらそれっきり、

聞いた内容を誰かに話すのはもっての外、

個人的に神父が「その後どうなった？？」などと、

告白された内容の話を本人に話したり、

ということも一切なし、ご法度だそうですよ。

Confessionがあれば、カウンセラーはいらなくなる

この言葉は、どなたかカウンセラーさんがおっしゃった言葉だそうです。

アメリカでは、何か心理的に問題があるときは、shrink=精神分析医や

カウンセラーのところに行って話を聞いてもらう、

というセラピーが当たり前のように広まっていますけれど、

それで状況が良くなるのは、なかなか難しい・・のは想像に難くないですよね。

しかし、Confession、罪の許しをいただける、

このことこそが私達に必要なことで、

そこがなくならない限り、自分自身の葛藤や心の問題は

なくならないと思うわけです。

告白すれば神様は許して下さる、ってわかってても、

実際に誰かに「あなたの罪は許された」と言ってもらえる、

その言葉を聞ける、っていうのは、

個人的に祈るだけとは全く、全く！違います。

こんな素晴らしいシステム、なぜプロテスタントでは

排除されちゃったのかな〜と思います。

まさにFood of soul、魂の養いのための必要な行いなのだ、

とつくづく感じました。

こう、大きな重荷を下ろせた感が実際にあって・・・ほんと、楽になれますよ。

今でも、日本に行くたびに、日本の教会で、

日本語で（笑）Confessionしています。