日月潭のタニシ
タニシは、沼や湖、田んぼなどに住み水底の沈殿物を食べ、さらに泥の中や水に浮かぶプランクトンやコケを食べて生きます。
日月潭にはしっぽがないタニシが多く住んでいたと言われているそうです。由来は清時代、サオ族が清朝の侵略から対抗している頃です。
台湾兵を率いる呉昌祚がある日、日月潭の湖畔で休んでいたところ兵士がタニシを調理して持ってきてくれました。
彼は、タニシのしっぽを切って吸って食べてみると、それはとても美味しくタニシの美味しさに賞賛しました。そして、身を食べ終わった殻を日月潭に投げ込みました。
空っぽになった殻は、またタニシになり「しっぽ」がないタニシが日月潭に住んでいるそうです。
力試し
昔ある所で、「風」、「雨」、「雪」の三人が集まって力試しをした事があったそうです。
まず、「風」が最初に歩み出て、「まずは俺の力を見てくれ。一瞬にして数百本の樹木を吹き飛ばしてやる」と言いました。「風」は下腹に力をこめるや、大きな音とともに大風を吹き荒らしました。すると、天地は震動し、石は飛び、木は折れ、雲は流れ、見るも 凄まじい有様となりました。
次に、「雨」が出てきて、「自分は凄まじさにおいては敵わないが、俺みたいに山を崩すこと はできないだろう?」と、静かに降りだしました。これが何日も何日も続き、 山はもろくも崩れ始めました。思わず、下界に住んでいる人間たちは「お願いだからやめてください」と涙ながらに嘆願するようになりました。
最後に「雪」がおもむろに進み出ました。「なるほど、二人の腕前は素晴らしい。ただし、私の威力には及ぶまい」と言いながら、こんこんと雪を降らせました。「風」も「雨」 も、そして下界に住む人間たちも「雪」というもの自体をよく知らず、どんなものかと興味深く思っていました。しかし、たった今まで青々としていた草木がことごとく枯 れていき、見渡すかぎりの銀世界となってしまった時には、水は凍り、粟は枯れ、動物の姿も見えなくなりました。そして、燃える火もたちまち消えてしまい、まさにこの世は死の世界とな りました。
あまりの厳しさに、下界では実際に死んでしまうものも出てきました。これを見て、さすがの「風」「雨」も「雪」にはかなわないと降参を申し入れました。「雪」が勝 ち得たのです。
それ以来、「風」も「雨」も気まずさがあってなのか、やってくるのは「雪」のいない夏を選ぶようになりました。しかも、この二つは照れ隠しに一緒にやってくるのです。これが台 風の始まり。「雪」はというと、もともとがおとなしい性格なので、めったに降ることはありません。そして、力試しの際に死んでしまった人間を不憫に思ったのでしょうか、 山奥の山奥、ほとんど人が住んでいない所でしか、その姿を見せないのだそうです。
ミツバチ
その昔、村人たちは、粟米を入れてたくさんのご飯を作っていました。サオ族のある一人のそそっかしい女性が、栗米をお鍋いっぱいに入れて炊きっぱなしにしてしまいました。すると、部屋の中が、粟米飯で溢れてしまいました。そこに、群れをなした蜂たちが助けに飛んできてくれたのです。一粒ずつ粟米飯を口にくわえていくと、溢れかえっていた粟米ご飯があっという間になくなりました。
このことがあってから、サオ族の人たちは家の中に蜂の巣を作られるのを嫌いました。せっかくの粟米ご飯が、群れをなして飛んでくる蜂たちにもっていかれると思ったのです。それは、生きていく為に大事なご飯、財産をもっていかれると考えられるようになったのです。![]()

