最近、次男Aさんが学校から借りてくる読書用の本があまりにも簡単すぎるのばかりなので(←本人チョイス。free readerのくせに簡単な本ばかり読んで楽しようとしている)、新しい本何冊か買いました。その中の1冊を紹介。

 

 

カナダの童話作家・イラストレーター、Jon Klassen著の『The Skull』

 

 

まだ邦訳はされていないようですが、じきに出るでしょうね。

 

 

Aさんが読むのに買ったんだけど、とっても私自身の好みだわ。

 

 

何処かから逃げ出して森を彷徨っていた少女Otilla。彼女はある大きな屋敷にたどり着き、なんとそこにいた髑髏(ドクロ・しゃれこうべ)に招き入れられます。髑髏は、家に入れてあげる代わりに、自分を抱いて運んでほしい、とOtillaに頼む。それを受け入れるOtilla。

 

 

淡々と、何の先入観も説明も必要とせずにただ静かな時間を共に過ごすことで解り合い、友情を深める少女と髑髏。どんな過去があったのかはお互いに特に話さないのだけれど、おそらくこれまでにいろいろな恐怖を経験してきた2人なのだろうと想像できる。だから、2人の間に生まれた、初めての絆のようなものをひたすらに守ろうとする。そんなお話。

 

 

2人は一緒にお茶を飲む。髑髏なので、お茶は口から入っても全部床に流れ出てしまうんだけれど、それでもOtillaは髑髏の口にお茶を注いであげる。2人は一緒に朝ご飯を食べる。梨の実は髑髏の口に入っても床にべちゃっと落ちてしまう。それでも一緒に2人は食べる。

 

 

2人はダンスをする。Otillaが髑髏を抱いて、くるくる回って踊る。

 

 

2人は一緒に寝る。髑髏にお布団をかけてあげて、Otillaは一緒に寝る。

 

 

真夜中になると、頭のない骸骨がやってきて、「首をよこせー」と、髑髏を奪おうとする。Otillaは、髑髏がそれを望んでいないことを知り、しっかりと髑髏を抱いて、守る…。



自分の身体の骨なのか他人の骨なのかわからないけど、髑髏は骸骨に囚われたくないらしい。頭だけでいたいのね。

 

 

だから、Otillaは髑髏のために戦う。戦って、骸骨をこれでもかと打ちのめす。それこそ、骸骨が二度と戻ってこられないよう、粉々になるまで。この部分は、鳥肌立ちます。

 

 

 

 

 

 

 

 

感情的な表現を排してひたひたとした雰囲気で語られる物語が、とにかく悲しく美しい。絵がまた、たまらない。

 

 

似たような話をどこかで読んだ気もします。もともと民話だそうだから、それを読んだことがあるのかもしれない。



あとがきで著者のKlassenさんは、民話の結末はこの本とは少し違うんだということを明かしてます。もっときらびやかな結末ならしい。でもこのKlassenバージョンは、最初から最後までローな雰囲気で、淡々としてて、「少女の勇気ある行いのお陰で髑髏にかかっていた呪いが解けました!」みたいなキラキラしたことにはならないんですね。そこがいいんだなぁ。

 

 

暗ーいんだけど、でもひとすじの希望の光がある感じ。

 

 

ラストはいいなぁ。



そもそも、もの言う髑髏がパートナーになるとか、素敵すぎでしょ。

 

 

「ナニコレ暗い」と思う人もいるかもしれないけど、めちゃくちゃいい話で、ワタシ的には超おススメです。7歳児も好きだと言ってました!

 

 

 

読むA氏。

この本もちょっと彼には簡単すぎたかも…。

この人は感情込めてなりきって読むのが上手い。

大根役者な兄ちゃんと違って、演劇も上手そう。

簡単な英語なので6歳位から読める本だと思います♪

 

 

 

 

あしあと

 

 

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