この世界の さらにいくつもの 片隅に
が公開されています。
見に行きたいので この作品の監督の前作である
マイマイ新子と千年の魔法を予習的に見ておきました。
主人公はチャキチャキした小学生の女の子です。
いきなり映像とは関係ないことですが、この子にあてられた声がとても良かった。アニメチックな声ではなく自然な低めの女の子の声。それでいて素人くさくならない個性の強さと聴きやすさ。
で映像の方は この監督ジブリでずっと働いていた方なので 作画力は極めて高く作品の雰囲気も典型的なジブリ感を持っています。
となりのトトロのメイちゃんを探すシーンをオマージュしたと思われるシーンもありました。
学校の生徒たちの制服の色を色褪せを表現するために一人ずつ変えていたり細かいこだわりもあります。
山口県の防府市が舞台でロケハンもしっかりしたらしく地理的なリアリティにもこだわりがあります。
このあたりも高畑勲や宮崎駿の作ってきたリアリズムのアニメを受け継いでいていいものですね。
話自体は 無理な展開とか子供にしては不自然なセリフ臭い言動とか ノスタルジーのために切り貼りされたシークエンスの多さとかが気になる。
やはり高畑、宮崎には全く及ばず。
監督自身の作品解説の副音声もあるのだが、ここで片渕氏自身が本作の良いと思うところを語り始める。変なこだわりを自画自賛したり、作品を作る中でキャラクターたちが自然に動き始めたと繰り返し語る様が自分に酔ってるみたいで正直キモかった。
しかしこだわりのある気持ち悪い監督というのは将来有望なんじゃないかなとも思う。キモさこそ芸術である。
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