割と初期のピクサー作品。
1番最初は95年のトイ・ストーリーで順番に見ていくと04年のミスター・インクレディブルでようやく人間のキャラクターのキモさが無くなると思っている。

なので本作はそれよりまだ3年早くて若干人間のデザインキモい。リアルな人形寄りなのだ。作り手もそれを自覚しているのか人間のキャラは一人しか出ない。
でも3年後にはあまりリアルに人間を作らない方がいいことに気づき、デフォルメ系の姿に落ち着かせることで問題を解決したのだ。その傾向のまま2020年現在もピクサーは人間を描いている。

他にもCG全体の質感としてまだまだ無機質な感じは目立つ。屋内の壁も屋外の外壁も全てプラスチックに見えるような質感で、木とレンガと鉄とプラスチックの描き分けができていないような感じだ。
でも不快ではない。CGの進化を教えてくれる教科書のようなものだ。
30年前のスーファミのソフトだって今でも余裕で楽しめるように、作り手の熱意としっかりしたストーリーさえあれば作品は色褪せない。

主人公に毛がフサフサのモンスターがいるが、こいつの毛の密度が2016年公開のズートピアの動物たちと比べてみるとスカスカなのも面白い。比べてしまうと端的に言って薄毛、ハゲである。
毛の密度は数字的には5分の1くらいの少なさらしい。2001年と2016年のコンピュータ技術の差がそこにある。

ストーリーは トイ・ストーリーの前から考えられていたアイデアらしい。子供を脅かすはずのモンスターが逆に子供に脅かされてしまうというところが土台になっている。

終盤やや展開が荒く、ヒマラヤからのスピーディな帰還や 世界中にある無数のドアを渡り歩きながら一枚のドアを見失わずに追いかけ続けるなど御都合主義も気にしない私でも呆れるくらいの大雑把さであったw

CG的な挑戦としては水洗トイレの流れる水流や蝋燭の光の揺らめきなどに新しく挑戦していた。



管理コード、2001w1