「マスカレード」
一見普通に見える玉乗りの娘でしたが、彼女は病に侵されていました。
人知れず毎晩悪夢にうなされていたのです。
そう、彼女は心の病にかかっていたのです。
それを知られたらサーカスに居ることが出来なくなると思った娘は
必死に病気を隠しながら芸を続けていたのです。
でもとうとう我慢の限界がやってきてしまいました。
彼女は舞台の上でわけのわからないことを大声で叫んでしまったのです。
ふりかかる容赦のない冷たい視線に耐え切れなくなった彼女。。
目覚めたのはサーカス団の医務室のベッドの上でした。
いつの間にか気絶してしまっていたようです。
彼女の心は絶望と病気への憎しみでいっぱいでした。
「なんで私だけなんで私だけなんで私だけ!
苦しいの苦しいの苦しいの苦しいの!!
みんなみんな病気になってしまえばいいのよっ!!!」
それは舞台で叫んでいたことと一字一句違わない
彼女の心の叫びでした。
サーカス団が人気のあった時代、
心の病がまだ理解されてなかった時代。
今では・・・今も??????